債券を買う前に

ここでは投資を始める前に知っておいていただきたい、利回りや債券投資にかかる税金などについて解説します。

利率と利回り

債券投資にあたっては、利率と利回りの違いをよく理解しておきましょう。似ていますが別のものです。債券投資では、「利率」ではなく、「利回り」をみて投資判断をすることが大切です。

利率

利率とは、額面金額に対する毎年受取る利息の割合のことです。クーポンともいいます。
債券の利率は、発行するときの金利水準や発行体の信用力等によって決められます。

利回り

利回りとは、購入金額に対する利息も含めた年間での収益の割合のことです。

例えば以下の条件の同じ債券をAさんとBさんがそれぞれの金額で購入した場合

この債券の利息は…

Aさんの利回りは…

Bさんの利回りは…

期間や利率は同じでも購入する際の金額によって年間での利益が変わります。投資判断をする上では、利率ではなく利回りが重要となります。

債券投資にかかる税金

債券投資を行ったときに生じる利益「利息」「譲渡益」「償還差益」に対して税金がかかります。

利息

特定公社債(国債、地方債、外国国債、外国地方債、社債等)の利息は、「利息所得」として税率20.315%が課税されますが、源泉徴収のみで申告不要です。確定申告する場合は申告分離課税となります。

譲渡益・償還差益

売却や償還によって得た特定公社債の譲渡益や償還差益は、「上場株式等の譲渡所得等」として税率20.315%の申告分離課税となります。
また、特定公社債の利息・償還差損益・譲渡損益は上場株式などの配当金や譲渡損益との損益通算が可能です。

債券の購入場所

購入できる場所・期間

国債は、証券会社、銀行等の金融機関や郵便局などで購入できます。社債や外国債券等は証券会社で購入することができます。
新発債の場合は、購入期間が決められており、その期間しか買うことが出来ません。また発行される金額も決まっており、その金額に達した場合、購入期間中でも買うことが出来なくなります。既発債の場合は、いつでも買うことが出来ますが、数量に限りがあります。金額は流通市場のバランスで決められて売買されるので、常に利回りは変動します。また、既発債を買付する際には、経過利息がかかります。
また、新発債も既発債も証券会社によって取扱銘柄や通貨が違います。

最低投資額

債券であれば1 万円程度から購入できるものがあります(購入にあたっては購入代金のほか、別途手数料等がかかる場合があります。詳細は各証券会社や金融機関にてご確認ください)。

経過利息

債券(利付債)を購入する際、前回の利払い日から受渡日までの利息を「経過利息」として、債券の買い手が売り手に支払います。経過利息とも呼ばれます。買い手は受渡日までの利息を先に支払うことで次の利払日の利息を全額受け取れます。

最後は債券に関わる基本用語についてご説明いたします。

債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます。債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営、財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがあります。外貨建債券は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。詳しくは所属金融商品取引業者のWEBサイト当該商品のページ、金融商品取引法に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。