本記事は、三井住友DSアセットマネジメントが発行している「投資環境の見通し(2023年1月号)」レポートをもとに、日本とアメリカの経済動向をマネハブ編集部が抜粋しまとめたものです。
また、レポートの中から気になる用語をIFAが解説します!
アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し
アメリカ
01.景気のイメージ
成長予想は22年10-12月期の上方修正を受け、22年2.0%、23年1.0%に上方修正。24年は1.2%と持ち直そう。足元はサービス業が底堅いが、利上げ効果、企業収益悪化、海外減速、リベンジ消費一巡などが雇用鈍化につながり、23年に浅い景気後退となろう。インフレは財価格が鈍化してきたが、賃金・サービス価格が粘着的で、高止まろう。
02.金融政策(今後1年程度)
利上げペースは鈍化も水準的には引上げ
FRBは22年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%と利上げ幅を縮小したが、経済見通しでインフレとターミナルレートの見通しを5.125%と前回(9月)の見通しから0.5%引き上げた。先行きは23年2、3月に0.25%の利上げを追加、4.75-5.00%に引き上げた後は景気減速の明確化を受けて、様子見に転ずると予想。
日本
01.景気のイメージ
22年度の成長予想は1.7%で据え置き。22、23年度は財政やインバウンド消費に期待、1.3%、1.2%に上方修正。23年前半は海外の減速の影響に注意。コアCPI上昇率は前年比3%台後半に加速するが、23年以降は、エネルギーの騰勢鈍化、景気減速などを受け鈍化する見通し。日銀の政策修正を受けた為替動向に注目。
02.金融政策(今後1年程度)
日銀は中短期金利の抑制継続
日銀は22年12月の会合で長期金利変動レンジを上下0.5%に拡大。新総裁就任後、共同声明見直しと政策の追加的な修正が検討されよう。メインシナリオとしては、批判の多いマイナス金利政策を解除する一方、引き締め政策への転換は否定、影響の大きい中短期金利は上昇抑制を続けるとみたい。
※太字は注目点を示す。FRB:米連邦準備制度理事会。 ※各種報道等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成。 ※掲載内容は2023年1月4日時点のものです。
IFAの用語解説「預金ファシリティ金利」
ユーロ圏の民間銀行が、一時的に過剰となった資金を中央銀行に預け入れる際の利子のことです。
金利水準は欧州中央銀行(ECB)が決定します。
なお、日本では同種の金利を「付利(ふり)」と呼びます。
民間銀行の貸出金利との関係で、付利の水準が貸出金利の実質的な下限として機能するため、付利の上げ下げは中央銀行の金融政策の手段の一つになっています。
例えば付利を引き下げた場合、民間銀行の余剰資金が中央銀行の預け入れではなく市場での運用に向かうなど、景気に影響を及ぼします。
IFAの用語解説「賃金・物価スパイラル」
物価上昇が賃金上昇を引き起こし、賃金上昇がさらに物価上昇を引き起こす、という状況のことです。
現在、人手不足を主因とした物価上昇が継続しています。今後、これに対し労働者の不満から賃上げ要求が強まる事により賃金・物価スパイラルに陥ることが懸念されています。
このコラムの執筆者
MONEY HUB PLUS 編集部
株式会社Fan
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