【投資信託の売却】タイミングや利益の計算方法、税金、注意点を解説

【投資信託の売却】タイミングや利益の計算方法、税金、注意点を解説

投資信託

投資信託は売却することで利益を確定できます。どのようなタイミングを選ぶべきか、また、利益の計算方法や税金、注意点についてまとめました。投資信託に投資するなら知っておきたいことをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

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投資信託の売却の基礎知識

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投資信託は運用会社によって運用されている金融商品です。運用会社が運用を終了する日を償還日と呼び、償還日になると保有していた口数によって払い戻し(償還)が実施されます。

なお、償還日を無期限に定めている投資信託では、理論的にはいつまでも投資をすることが可能ですが、運用成績が悪化したときなどは運用が中止されて償還されることもあるため注意しましょう。

償還日よりも前に投資信託を手放すことが「売却」です。売却すると、口数に応じて清算され、手数料などを差し引いて口座に入金されます。

売却と解約の違い

なお、投資信託の売却には「解約」と「買取請求」の2つの種類があります。いずれも投資家にとっては手数料も手続きも同じです。売却も解約、買取請求も特に意識して使い分ける必要はありません

解約と買取請求の違い

売却に適したタイミング

投資信託は基本的にはいつでも売却できます。売却に適したタイミングとしては、次の4つが挙げられるでしょう。

  • 基準価額が値上がりしたとき
  • 基準価額が値下がりしたとき
  • 目標の基準価額になったとき
  • 元々売却する予定日になったとき

それぞれのタイミングで売却する理由、メリットについて解説します。

[基準価額が値上がりしたとき]

基準価額(投資信託一口あたりの価格。一万口で表示することもある)が値上がりしたタイミングで売却すると、利益を確定することができます。投資信託の基準価額は変動しているため、こまめに確認し、値上がりのタイミングを逃さないようにしましょう。

ただし、後述しますが、売却したときに表示されている基準価額で取引が成立するわけではありません。基準価額がある程度変わっても利益が得られるようなタイミングを選ぶようにしましょう

[基準価額が値下がりしたとき]

購入したときよりも基準価額が下がっているときに売却すると、損失を被る可能性が高くなります。しかし、基準価額が毎日のように下がり、今後好転することが難しいと考えられるときには、早めに売却することで損失を抑えることができるでしょう。「いつかはまた値上がりするはず」と考えて保有し続けると、損失が拡大してしまうこともあります。

[目標の基準価額になったとき]

投資信託を購入するときに、目標の基準価額を定めておくことができます。例えば、投資信託Aを基準価額10,000円のときに購入し、目標の基準価額を11,000円に定めたとしましょう。基準価額が値上がりし、目標の金額になったタイミングで売却して利益を確定します。

なお、目標の基準価額を決めるときは、売却するときに発生する手数料や税金なども考慮することが大切です。購入したときの基準価額よりもわずかに高い金額を目標とすると、手数料や税金を差し引くと実質的には損失が生じる可能性があります。売却する際に発生する手数料は投資信託によっても異なるため、購入するときに確認しておきましょう。

[元々売却する予定日になったとき]

投資する期間を決めて投資信託を購入することもできるでしょう。例えば、1年後に使い道が決まっている資金を使って投資信託を購入した場合には、予定の日までに投資信託を売却し、利益あるいは損失を確定させます。

ただし、予定日を決めて投資をする場合、売却する時期に基準価額が値下がりしていると損失が生じるため、注意が必要です。予定日が近づいたら早めに基準価額の変化を確認し、できる限り値上がりしたタイミングで売却できるようにしましょう。

また、投資信託は売却してすぐに現金が手元に入るわけではない点にも注意が必要です。資金を使う日が決まっている場合には、余裕を持って売却しましょう。

投資信託の売却手続き

オンラインで運用できる口座を利用している場合には、まずは口座にログインし、保有している資産のページを開き、売却したい投資信託を選んで「解約」の手続きをします。その銘柄を全額売却するときは「全部解約」、一部のみ売却するときは「一部解約」を選びましょう。

一部解約を選んだときは、解約する口数を入力します。注文内容を確認するページが表示されます。問題なければ「確認」を実行し、「注文」ボタンを押しましょう。

なお、売却のもう一つの方法である「買取請求」は、すべての口座で実施できるわけではありません。証券会社によっては買取請求に対応していないことや、対応していても法人のみ実施できることもあります。

投資信託の売却にかかる手数料

投資信託を売却するときには、次の手数料がかかることがあります。

  • 解約手数料
  • 信託財産留保額

それぞれどのような種類の手数料なのか、簡単に解説します。

[解約手数料]

解約手数料とは、売却時に販売会社(証券会社)に支払う手数料のことです。解約手数料の有無や金額については、投資信託の銘柄ごとに異なります。ただし、解約手数料が設定されている銘柄は多くはないため、ほとんどのケースにおいて不要です。

[信託財産留保額]

信託財産留保額とは、償還日前に売却するときに支払う手数料です。売却時にかかる費用を負担するための手数料で、信託財産内に留保されます。

なお、信託財産留保額も銘柄ごとに異なりますが、解約手数料とは異なりほとんどの銘柄に設定されているため、注意が必要です。目論見書に詳細情報が記載されていることが一般的です。購入前に確認しておきましょう。

投資信託の売却によって発生する税金の種類

投資信託の売却によって発生する税金の種類

投資信託を売却して利益が生じたときは、次の3つの税金が課せられます。

  • 所得税:15%
  • 住民税:5%
  • 復興特別所得税:0.315%

上記の合計20.315%の税金が課せられることになります。例えば売却によって得られた利益が10万円であれば、税額は2万315円です。源泉徴収ありの特定口座で取引をしている場合には事前に税金が差し引かれるため、手数料を考慮しないで計算すると、入金される金額は7万9,685円になります。

確定申告をする基準

給与所得を得ている方であれば、投資信託の投資によって得られた利益が20万円以下のときは確定申告する必要はありません。また、源泉徴収ありの特定口座で投資をしている方は、利益額に関わらず確定申告は不要です。

投資信託の売却益の計算方法

投資信託の売却益の計算方法

売却時の基準価額が15,000円(1万口)、購入時が11,000円(1万口)、取引口数が10万口、手数料が2,000円としましょう。売買の差額は以下の計算式から4万円と求められます。

売買によって得られた差額 =(売却時に確定した基準価額-購入時に確定した基準価額)×口数 =(1.5円-1.1円)×10万 =4万円

売却益は以下の計算式から求めましょう。源泉徴収ありの特定口座で取引している場合には、2万9,874円が入金されます。

売却益 =売買によって得られた差額-手数料-税金 =4万円-2,000円-4万円×20.315% =2万9,874円

投資信託を売却する際の注意点

投資信託を売却する際の注意点

投資信託を売却するときには、次の3つのポイントに注意しましょう。

  • 売却時の価格と確定する価格は異なる
  • 売却時間によっては約定日が翌営業日以降になる
  • 売却代金を受け取るまでに時間がかかる

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

売却時の価格と確定する価格は異なる

投資信託を売却するときに記載されている基準価額は、その日に確定する価格ではありません。投資信託では売却や購入の注文を締め切った後で、適用される基準価額を決定し、その価格に基づいて取引が実行されます。

そのため、注文したときの基準価額や表記されている注文価格はあくまでも予想であり、実際に適用されるのではありません。

売却時間によっては約定日が翌営業日以降になる

投資信託の売買は平日の15時まで受け付けられることが一般的ですが、必ずしも当日内に取引が約定するとは限りません。売却した時間によっては約定日が翌営業日以降になり、基準価額が決まるタイミングも約定日に連動してさらに遅くなることがあります。

売却代金を受け取るまでに時間がかかる

売却した日の翌営業日以降に基準価額が決まり、取引が実施されてからの入金となるため、売却代金を受け取れるのは売却日ではありません。

証券会社にもよりますが、売却日から代金受け取りまでに4営業日程度かかることもあります。土日や連休を間にはさむ場合は、受け取りまでに1週間以上かかることもあるため、注意しましょう。

売却前に投資の専門家に相談してみよう

売却前に投資の専門家に相談してみよう

投資信託は売却した日と取引が成立する日が異なるため、売却益や売却損が予想した金額とは異なることもあります。また、売却代金が入金されるまでに時間がかかるため、資金を使う予定があるときは余裕を持って売却を行う必要があるでしょう。

手数料についても注意が必要です。売却手数料は不要のケースも多いですが、信託財産留保額についてはほとんどの銘柄で発生します。投資信託を購入するときに目論見書を細部まで読み、手数料や取引上の注意点について理解しておくようにしましょう

投資信託の売却や確定申告など、投資やお金について不明点や気になることがあるときは、投資の専門家に相談してみるのはいかがでしょうか。投資信託相談プラザでは店頭またはオンラインで個別相談を実施しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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このコラムの執筆者

MONEY HUB PLUS 編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
みなさまの資産形成に役立つ情報を日々発信しております。

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