コロナショックで外貨建て債券の価格が大幅下落!外国債券は今買い時?見通しは?

コロナショックで外貨建て債券の価格が大幅下落!外国債券は今買い時?見通しは?

資産運用

2020年2月下旬から株式、債券など様々な資産が下落しました。新型コロナウイルスの影響を受けて、今後の経済活動に支障をきたすのではないかという不安が広がったためです。

投資対象として比較的安全とされている金融商品の『債券』 も大幅に下落しました。

本コラムでは、外国債券(外貨建ての債券)の価格の値動き、購入タイミング、今後の見通しについて解説します。

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債券とはそもそも何か?

まずは債券のおさらいをしておきましょう。債券とはある発行体が、資金を調達するために発行する有価証券のことを言います。

  • 国債…国がお金を調達する際に発行するもの
  • 社債…企業が発行するもの
  • 国内債券…日本国内で発行される債券
  • 外国債券…外貨建てで発行される債券

債券には基本的には償還日(満期)が存在し、償還日まで保有すれば額面100%が戻り、毎年決まったクーポン(固定利息)を受けとることが出来ます。

債券にも株式と同様に価格が存在し、市中の金利動向により価格は変動します。

既発債=すでに流通している債券の場合

市中金利が上昇すれば、(既存の)債券の魅力が下がるため債券価格が下落

債券価格が下落→利回り(収益)が上昇

市中金利が低下すれば、(既存の)債券の魅力が上がるため債券価格が上昇

債券価格が上昇→利回り(収益)が低下

以上のように、市中金利と債券価格は反比例する関係になります。また発行体の個別要因として、発行体の信用力や財務状況の変化等によっても価格は影響を受けます。

高利回り債券価格の下落が顕著に!

コロナの影響による全世界での経済の先行きの不透明な状況を受けて、2020年3月中旬頃から利回りの高い債券(ハイイールド債、劣後債等)全体の価格が下落しました。

図1.第一生命米ドル建て劣後債(永久劣後債)の債券価格チャート

第一生命(永久劣後債)米ドル建のチャート


過去にもリーマンショック時のシティ債、東日本大震災時の東京電力債などが金融危機、震災などを原因として大きく下げたことがあります。(価格下落により高利回り債券になりましたが、それぞれ格下げも行われました。)

債券価格が大幅に下落して、債券保有者に不安を与えたことが過去に何度もあるのです。

しかし、債券には株式と異なり償還期限があります。

償還期限が到来すると債券価格が下落していても償還時には100%という価格で戻ってきます。前述のシティ債、東京電力債は無事償還を迎え、額面100%で元本が戻ってきました。

繰り返しとなりますが、3月中旬頃から高利回りの債券が大幅に下落していました。新型コロナウイルスの影響を受けて、経済活動が停滞し資金繰り難になる可能性があると考えられてしまったためです。

マーケットが不安定な局面では、比較的安全な資産とされる債券も大きく売り込まれてしまうことがあるのです。

高利回り外国債券投資のチャンス到来か?今後の見通しは

債券の価格と利回り(収益)について改めて振り返っておきましょう。

債券価格が急落しているということは、債券の利回りが急上昇していることを意味します。現状、先進国はゼロ金利政策を行っており、債券価格は高い状態でもおかしくないはずです。実際に図2からわかるように米国債(10年)の利回りは顕著に低下傾向です。

図2.米国債(10年)の利回りチャート推移(下に推移するほど債券価格上昇)

米国債(10年)利回り

米国債とは対照的に、高利回りの債券はリスク要因を織り込んで債券価格が下落しているのです。

今後の経済活動の低迷を予測している機関投資家などは、債券発行体の資金繰りの悪化、ひいては格付けの引下げを警戒して売却を強いられている可能性があります。

個人投資家にとっては、債券価格が下落して利回りが上昇している状態はチャンスかもしれません。

債券価格がアンダーパー(100%よりも下)の状態であれば、償還時には当初投資した金額よりも元本が増えて戻ってきます。なおかつ、通常の利子も受け取ることが出来るのです。

整理しますと、

(割安で購入することによる)償還時の値上がり益+毎年の高いクーポン(利息)

という形で、ダブルで恩恵を得ることが出来る可能性があるのです。

この機会に、高利回り債券投資に関しても一考する価値があると考えます。

外国債券の銘柄選びはどうしたら?

なお、ただ高利回りの外国債券であれば、なんでもよいというわけではありません。

債券といえども、発行体が倒産してしまったら元本が戻ってこない(全額or一部)可能性がありますので、自身のリスク許容度と収益性を考慮して銘柄選定を行う必要があるのです。

弊社では外国債券のご相談を多数承っておりますので、銘柄選びにお困りの際はぜひ一度アドバイザーにご相談いただければと思います。

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このコラムの執筆者

道谷 昌弘

株式会社Fan IFA

AFP(日本FP協会認定) 大学卒業後、大手証券会社に入社。国内営業部門にて法人・個人の資産運用アドバイスを行う。8年間勤めたのち退社し、より中立的なアドバイスができるIFA(独立系投資アドバイザー)に転身。現在は富山を拠点に、全国各地のお客様に幅広くコンサルティングを行いながら、お客様にとって本当に良い商品提案を日々追求している。

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