外貨建て債券の基礎知識|特徴やメリット、リスクを解説

外貨建て債券の基礎知識|特徴やメリット、リスクを解説

資産運用

この記事のポイント

  • 外貨建て債券は、払い込みや利払い、償還金がすべて外貨で行われる債券で、途中で売却する際や満期償還時には為替相場の影響を受けるのが特徴
  • 主なメリットは、日本の債券と比べて金利が高い傾向にあり、円安時には為替差益を得られる可能性があること、分散投資によって運用リスクを低減できること
  • 注意すべきリスクとしては、円高による為替差損が生じる可能性(為替リスク)、投資対象国の情勢変化によるカントリーリスクなどが挙げられる

外貨建て債券とは日本円以外の通貨で代金の支払い、利子および償還金の受け取りが行われる債券のことです(円貨決済型を除きます。以下同じ)。

メリットとしては相対的に高い利回りを期待できることや、分散投資となる点などが挙げられます。今回は外貨建て債券の特徴やメリット、リスクを解説します。

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外貨建て債券の概要

外貨建て債券とは、払い込みや利払い、償還金の支払いがすべて外貨で行われる債券のことです。国内債券では、多くの利息の受け取りは期待できない状況にあります。しかし、外貨建て債券であれば海外の高い金利を享受できるほか、為替差益を得られる可能性もあるでしょう。

ちなみに債券とは、簡単にいうと国や地方公共団体、企業などが資金を調達するために発行する借用証書のことです。投資家は債券への投資によって、発行体に資金を融資していることになります。

一般的には発行体か通貨、あるいは発行場所のいずれかが海外の債券は「外債」と呼ばれます。このうち払い込みや利払い、償還金の支払いがすべて外貨で行われるものを外貨建て債券ということを押さえておきましょう。

外貨建て債券は途中で売却する際や満期償還時に、為替相場の影響を受けることが特徴です。

例えば、外貨建て債券を1ドル100円で10,000ドル購入すると、満期償還のタイミングで1ドル120円の円安になっていれば20万円の為替差益となります。一方、1ドル80円の円高の状況であれば20万円の為替差損となります。

発行体による分類

発行体とは、資金を調達するために債券を発行する主体のことで、国や地方公共団体、企業などさまざまです。

発行体が破綻すると、債券はデフォルト(債務不履行)になります。発行体によって信用リスクが異なり、リスクを示すものに発行体格付けがあります。発行体による分類は、下記のとおりです。

発行体による分類

利払いによる分類

利払いの有無によって、大きく「利付債」と「割引債」の2つに分類されます。利付債は発行から償還までの期間中、利子が支払われるものです。また、償還時には事前に決められた額面金額で戻ってきます。

利付債には、満期までの利子があらかじめ決められている「固定利付債」と、利子が変動する「変動利付債」の2種類があります

一方、割引債は、利率が低く設定されている分、額面金額よりも低い価格で発行され、償還時に額面どおりの金額で償還される債券です。利子と償還差益を受け取ることができる点が特徴です。

割引債にもいくつかの種類があり、例えば、ディスカウント債は利率が低い代わりに額面金額よりも低い価格で発行され、利子と償還差益を両方とも受け取れます。

ゼロクーポン債は、ディスカウント債のうち期間中の利子の支払いがないものを指します。額面金額よりも低い金額で発行され、額面どおりの金額で償還されるため、償還時に利子相当分も合わせて受け取ることが可能です。

ゼロクーポン債の一種で、利付債の元本と利子部分を分け、それぞれをゼロクーポン債として販売されているストリップス債もあります。

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外貨建て債券の3つのメリット

外貨建て債券のメリットには、次の3つが挙げられます。

  1. 金利が高い傾向にある
  2. 円安時には為替差益を得られる
  3. 分散投資によりリスク分散ができる

メリットの内容を、一つずつ確認していきましょう。

1.金利が高い傾向にある

外貨建て債券は、低金利が続く日本に比べ、金利が高い点が大きなメリットです。2022年12月22日時点では、各国の10年国債金利は、日本が0.17%であるのに対し、アメリカは3.69%、ニュージーランドは4.37%となっています。

わずかな金利水準の差が、受け取り時には大きな違いとなります。利率年0.5%、1%、3%の場合、それぞれ1万米ドルで10年間経過したケースを比較してみましょう。

購入や利払い、償還時の為替がすべて1米ドル100円の条件下では、源泉徴収後の金額は年率年0.5%では約104万円、年1%では約108万円、年3%となると約124万円となります。

ただし、一般的に金利の高い債券は信用リスクも高くなる傾向にあることを勘案して選ぶ必要があるでしょう。

2.円安時には為替差益を得られる

外貨建て債券を購入後、為替相場が円安となった場合、償還金や売却金額を受け取る際に為替差益を得られる可能性があります。

為替差益とは、為替レートの変動によって生じる利益のことです。一方で為替レートが円高に触れた場合には為替差損が生じることもあることに注意しましょう。

3.分散投資によりリスク分散ができる

外貨建て債券は、日本の債券や株式などと値動きが異なる傾向があるため、分散投資で運用リスクを低減できることもメリットの一つです。

また、各国の通貨は固有の動きをする傾向があり、米ドルをはじめユーロや豪ドルなどの複数の通貨の債券を保有することで、リスクを分散させることができます。

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外貨建て債券の5つのリスク

外貨建て債券にはリスクもあります。ここでは、次の5つのリスクを解説していきましょう。

  1. 為替リスク
  2. カントリーリスク
  3. 価格変動リスク
  4. 信用リスク
  5. 流動性リスク

1.為替リスク

外貨建て債券には、為替リスクがあることに注意が必要です。外貨建て債券は、元本の払い込みや利払いが、外貨で行われることが特徴です。

そのため、途中で売却する際や利子の受け取り、満期償還時には為替レート変動の影響を受けます。円安になった場合は為替差益を得られますが、円高になると為替差損が生じる可能性があり、これを為替リスクといいます。

そもそも為替とは、現金の代わりに手形や小切手、証書などで決済を行う方法のことです。異国間で為替が行われる場合は、通貨の交換を伴うことから外国為替といいます。

外貨建て債券は為替の値動きによって資産価値が変動するため、購入時はもちろん購入後も、為替をまめにチェックする必要があるでしょう。

【為替リスクを減らす|「円高抵抗力」を確認しておく】

為替リスクを減らすためには、外貨MMFを活用するという方法があります。外貨建て債券の利子や償還金で、そのまま外貨MMFを買い付けることができます。

MMFとは、元本割れリスクの低い債券が組み込まれた、高い安全性と換金性を誇る公社債投資信託のことです。外貨建てのMMFである外貨MMFは、売買したいときに売買できる可能性が高く、対象通貨の短期金利に連動することが特徴です。

円高となってしまったときには、利子や償還金を外貨のまま保有し、為替レートを見ながら円安水準になるまで待つということもできますが、証券会社に預けたままですと利息等が付かない場合がありますので注意が必要です。

また、「円高抵抗力」を知っておくとよいでしょう。円高抵抗力は、収益がマイナスにならずにすむ為替の水準をあらわす指標です。外貨建て債券の利率は高いため、ある程度の円高抵抗力があります。

例えば下記の条件の債券では、1米ドル=91.28円までの円高までであれば、収益がマイナスにならずにすむとされます。

  • 利率:4.00%
  • 期間:3年
  • 元本:10,000米ドル
  • 購入時の為替レート:1米ドル=100円
  • 円ベースの投資元本:1,000,000円
  • 税引き後の3年間の受け取り利子:956.22ドル
  • 税引き後の利子+償還金:10956.22米ドル

2.カントリーリスク

カントリーリスクにも注意しましょう。カントリーリスクとは、投資対象国や地域で、政治や経済の情勢変化が起きたり、新たな取引規制が作られたりするなどによって受けるリスクのことです。

発行通貨国の状況の変化によって、債券の売買が制限されるなど、損失を受ける可能性があります。

3.価格変動リスク

価格変動リスクも考慮する必要があるでしょう。満期前に換金する場合は、時価で売却することになるため、売却時の時価によっては購入価格を下回る可能性があります

4.信用リスク

外貨建て債券に限らず、債券には信用リスクもあることを覚えておく必要があるでしょう。発行体の財務状況の悪化によって利子や満期日における償還金の支払いが遅れたり、支払われない可能性があったりすること、これを信用リスクといいます

信用リスクを見極めるには、発行体の事業の内容や、財務状況をチェックする必要があります。格付機関が発表する「格付」も判断のために参考にするとよいでしょう。

5.流動性リスク

流動性リスクとは、債券を途中で売却する際に買い手がつかず売ることができなかったり、売却できても著しく不利な価格での売却となったりすることです。流動性リスクは、市況や金利水準の変動、発行体の信用力の変化などによって生じます。

外貨建て債券にかかる税金

平成28年1月以降、外貨建て債券の利子や譲渡益、償還差益にかかる税金は、上場株式と同じように申告分離課税の扱いになりました。

上場株式などの配当金や、譲渡損益との通算も可能になっています。また、利子や譲渡益、償還差益のいずれも20.315%の税金が課されることを覚えておきましょう。

為替差損益は、譲渡損益、償還差損益に含めて計算します。また外貨建て債券は、特定口座で管理することができます。

参照元:国税庁「個人の方が上場株式等を保有・譲渡した場合の平成28年1月からの金融・証券税制について」

外貨建て債券の特徴を理解して投資を始めよう

外貨建て債券は、外貨で払い込みや利払い、償還金の支払いが行われる債券のことです。外貨建て債券であれば、超低金利が続く日本では期待できない、海外の高い金利を享受できる可能性が高いといえます。また、為替差損益を期待できる点も魅力です。

ただし、為替リスクやカントリーリスクなど、リスクがあることも十分に理解した上で購入することが重要です。外貨建て債券の特徴をよく理解して、投資を始めることをおすすめします。

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債券とは?特徴や種類をわかりやすく解説

債券とは国や自治体、企業などが資金調達を目的に発行するものです。利息日や償還日など、利息が受け取れる日や額面金額が払い戻される日があらかじめ決まっているので、計画的な投資に向いているといえます。そのほかの特徴や種類についても見ていきましょう。債券とは国や自治体、企業などが広く資金調達を求めるときに発行するものです。あらかじめ決まった金利で利息が受け取れ、また、償還日には額面金額が払い戻されるという特徴があります。一般的には、債券は償還日まで保有して、払い戻しを受ける金融商品です。しかし、売買はいつでも可能なため、償還日よりも前に売却したり、発行日以降に購入したりすることもできます。ただし、債券の価格は変動するため、償還日よりも前に売却する場合は元本割れする可能性に注意しましょう。債券には、さまざまな条件があらかじめ定められています。主なものとして次の5つを挙げられるでしょう。債券は投資家から広く資金調達をするために発行されますが、株式も同様、投資家から広く資金調達をするために発行されるものです。しかし、債券は償還日が決まっているのに対し、株式は決まっていません。そのため、債券は長期間保有することができませんが、株式は企業が解散しない限り長期間保有でき、価格が上昇していれば売却して大きな利益を得ることができます。また、配当金が支払われる場合であれば、長期保有することでコンスタントに利益を積み重ねることが可能です。また、債券は金利が決まっているのに対し、株式は決まっていません。そのため、債券によって得られる利益は最初からある程度計算することができますが、株式は価格(株価)がどう変動するか分からないため、購入時に利益を計算することは不可能です。思わぬ損失をする可能性がある一方で、多額の利益を得られる可能性もあるでしょう。国債や地方債、社債など、さまざまな債券が販売されています。社債は一部の証券会社でのみ販売されますが、国債は証券会社以外にも銀行や郵便局でも購入することができ、販売のお知らせなどを目にする機会も多いでしょう。債券に投資をするためには、債券の性格を知っておく必要があります。主な性格としては、次の3つを挙げられるでしょう。それぞれの特徴について詳しく解説します。債券には償還日が設定されているので、その期限まで所有していれば額面金額の払い戻しを受けることができます。また、表面利率が決められているため、購入したときの金額に加えて利息を受け取ることも可能です。原則として額面金額と表面利率は守られるので、比較的安全性が高い金融商品といえるでしょう。ただし、発行した国や自治体、企業の経営状態によっては、利息が受け取れない可能性や、償還日に払い戻しを受けられない可能性もあります。信頼できる団体が発行しているのか検討してから購入するようにしましょう。債券は株式とは異なり通常満期日があり、その間に債券価格がいくらになろうとも、その期限になれば一般に額面金額で償還されます。また償還や利子の支払いが確実に行われるよう法律で様々な規定が設けられており、債券の利払い・償還の安全性が高められています。発行体の経営悪化や破綻によって、利息の支払いが滞ったり、投資元本を割り込んだりすることもあるため、発行体の安全性を格付などで確認することが大切です。債券は原則として値動きの少ない低リスクの金融商品です。しかし、発行団体が経営破綻した場合には利息や出資した金額を受け取れないこともあるので、注意する必要があるでしょう。とはいえ、発行している団体が国である場合は、民間企業と比べると経営破綻する可能性は低いと考えられるので、ある程度は安心して購入できます。ただし、経済や政治が安定していない国の債券を購入するときは、注意が必要です。また、日本の国債など、元本割れすることが少ないと考えられる債券であっても、償還日までに手放す場合は元本割れする可能性があります。債券に投資する場合は、原則として償還日までは手放さないようにしましょう。債券は、どの団体が発行するのか、また、どのような特徴があるかによっていくつかの種類があります。主な種類について見ていきましょう。公社債とは、公的な団体が発行する債券を指します。例えば国が発行する「国債」や地方自治体が発行する「地方債」は、いずれも公社債です。また、そのほかにも、政府関係の機関が発行している「政府保証債」なども公社債に含められます。民間債とは、民間の団体が発行体となっている債券を指します。例えば一般企業が発行する「社債」は民間債です。社債にはいくつか種類があります。例えば事業会社が発行する「一般事業債」は国債よりも利回りが高いことが多いです。また、株価が一定以上に高くなったときは株式に交換する権利付きの「転換社債」、新株を通常よりも有利に取得できる権利付きの「ワラント社債」などもあります。一般的な社債は、担保のない社債です。しかし、中には担保付きの社債もあり、「担保付き社債」や「一般担保付き社債」と呼ばれます。担保付き社債とは、会社が倒産したときに他の債券保有者よりも優先して支払い受けられる債券です。そのため、会社に万が一のことがあっても投資した金額がある程度保有されるので、担保のない社債に比べてローリスクといえます。「劣後債」は担保付き社債とは異なり、発行体が倒産したときに優先して払い戻しを受けることはできません。しかも、無担保の一般社債と比べても払い戻しの優先度が低いため、発行体が倒産したときは大きなリスクを負うことになるでしょう。しかし、リスクが高い分、高利率に設定されているので、発行体が倒産しない限りは利益を得やすいという特徴があります。倒産時のリスクを背負ってでも、高利率の投資を目指す方に適した社債といえるでしょう。なお、無担保の社債をシニア債、劣後債をジュニア債と呼び分けることもあります。劣後債とは?種類やメリット・デメリットまでを詳しく解説外国で発行されている円建ての債券は「サムライ債」です。元本の払い戻しも利息も円貨で行われるので、為替変動の影響を受けないという特徴があります。サムライ債のように外国で発行され、なおかつ円建てで取引が実施されているものは「円建て外債」と呼ぶことが一般的です。一方、売買や利息の支払い、払い戻しなどを外貨で行われる債券を「外貨建て債券」と呼びます。外国政府が発行している「外国国債」や海外企業の債券なども、外貨建て債券に含めることができます。日本国の国債や社債と比べると高金利のことがありますが、為替変動による影響を受けるため注意が必要です。株価指数や為替レートなどにより条件を定めて、金利や償還額が変動する仕組みになっている債券を「仕組債(しくみさい)」と呼びます。海外で発行されていることが多いため、外国債券の一種として扱われることが多いです。金利や償還日が決まっていない株式と比べると、債券は安全性が高いとされます。しかし、債券を発行する団体が倒産するなどのリスクもあるため、投資する際には発行体の信頼性についても吟味する必要があるでしょう。また、債券には外貨で払い戻しがされるものや倒産時に優先して払い戻しされるものなど、さまざまな種類があります。特徴を理解してご自身の投資スタイルに合う債券を選び、債券投資の幅を広げていきましょう。

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このコラムの執筆者

マネハブ編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
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