【法人向け】被災地支援の手段とは?企業版ふるさと納税のメリットを解説

【法人向け】被災地支援の手段とは?企業版ふるさと納税のメリットを解説

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この記事のポイント

  • 法人の被災地支援には、被災者への金銭的支援となる「義援金」、災害支援活動を行う団体などを支える「寄附金・支援金」、自治体の復興事業を支援する「企業版ふるさと納税」などがあり、目的に応じて使い分けることが重要である
  • なかでも企業版ふるさと納税は最大約9割の税負担軽減効果が期待できるほか、現金だけでなく、自社製品や避難所備品を提供する「物納(現物寄附)」による支援も選択肢となる
  • 本社所在地の自治体への寄附は対象外などのルールがあり、支援先の選定や物納の時価算定、税務申告などを円滑に進めるためには専門家の活用も検討すべき

地震や台風などの災害が発生した際、企業として被災地を支援する方法には、義援金・寄附金のほか、企業版ふるさと納税があります。

なかでも企業版ふるさと納税は、一定の要件を満たせば、損金算入と税額控除によって寄附額の最大約9割の税負担軽減効果が期待できる制度です。また、現金だけでなく、一定の要件のもとで自社製品などの物納(現物寄附)によって支援できる場合もあります。

本記事では、法人が被災地を支援する主な方法や企業版ふるさと納税のメリット、物納のしくみ、手続きについて解説します。

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法人が被災地や災害復興を支援する主な手段

企業が被災地を支援する主な方法は、次のとおりです。

支援方法主な支援先・目的税務上のポイント
義援金被災者への金銭的支援寄附先・制度によって扱いが異なる
寄附金・支援金災害救援・復旧活動を行う団体など寄附先によって損金算入限度額が異なる
企業版ふるさと納税自治体の対象事業を支援損金算入+税額控除で最大約9割の税負担軽減効果
企業版ふるさと納税(物納)自社製品・物品などによる支援自治体の受入可否や物品の価額などを事前確認

「被災者に直接支援したい」「復旧活動を支援したい」「税制上のメリットも活用したい」など、目的に応じて支援方法を選ぶことが重要です。

①被災者を支援する「義援金」と、支援活動を支える「寄附金・支援金」

災害時の寄附には、一般に「義援金」や「寄附金・支援金」などがあります。

義援金は被災者への金銭的支援、支援金は災害支援活動を行う団体などへの支援と考えると分かりやすいでしょう。

  • 義援金:被災者への金銭的支援を目的とするものです。たとえば、日本赤十字社などを通じて寄せられた義援金は、配分委員会などを通じて被災者への支援に活用されます。
  • 寄附金・支援金:災害救援や復旧活動などを行う団体の活動資金として活用されます。

ただし、「義援金」「寄附金・支援金」という名称だけで税務上の扱いが決まるわけではありません。

国や地方公共団体への寄附金などは、一定の要件を満たせば全額が損金算入されます。一方、民間団体への寄附は、寄附先に応じた損金算入限度額が適用されます。

そのため、寄附前に寄附先と税務上の取り扱いを確認することが大切です。

参照:寄附金を支出したとき|国税庁

②自治体の事業を支援する「企業版ふるさと納税」

企業版ふるさと納税は、正式には「地方創生応援税制」といいます。

国が認定した地域再生計画に位置付けられた地方公共団体の対象事業に企業が寄附すると、損金算入に加えて税額控除を受けられる制度です。

災害からの復旧・復興に関連する事業が対象となる場合もありますが、すべての自治体・復興事業が対象となるわけではありません。利用する際は、対象となる自治体・事業かどうかを事前に確認しましょう。

参照:企業版ふるさと納税ポータルサイト|内閣府

企業版ふるさと納税による最大約9割の税制優遇

企業版ふるさと納税の大きなメリットは、損金算入と税額控除を合わせて、寄附額の最大約9割の税負担軽減効果が期待できることです。

なぜ寄附額の「最大約9割」が軽減されるのか?

企業版ふるさと納税では、通常の寄附金と同様に損金算入による税負担の軽減効果が生じます。

さらに、法人住民税・法人税・法人事業税について税額控除を受けられるため、損金算入による軽減効果と合わせて最大約9割の税負担軽減効果となります。

税額控除の内訳は、以下のとおりです。

項目寄附額に対する軽減効果
損金算入約3割
税額控除最大6割
→ 合計最大約9割

ただし、税額控除には各税目の上限があるため、すべての企業で必ず9割が軽減されるわけではありません。

100万円を寄附した場合のシミュレーション

一定の条件を満たし、最大限の税負担軽減効果が得られるケースでは、以下のようになります。

  • 寄附額:100万円
  • 税負担軽減額:約90万円
  • 企業の実質負担額:約10万円

実際の軽減額は、法人の所得・税額や各税目の控除上限などによって異なります。「100万円寄附すれば必ず10万円の負担になる」という意味ではない点に注意しましょう。

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企業版ふるさと納税とは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説

自社製品などの「物納(現物寄附)」で支援できる場合も

企業版ふるさと納税では、一定の要件のもとで物品による「物納(現物寄附)」が行われる場合があります。現金を支出するのではなく、自社製品や保有する物品を活用して支援できるため、企業にとって魅力的な選択肢の一つとなります。

ただし、物納は制度上認められている一方で、すべての自治体・事業で受け入れが可能というわけではありません。実際に活用する際には、受け入れ可否や手続き方法を事前に確認する必要があります。

物納の対象となる物品例

たとえば、自治体の事業内容によっては、次のような物品が受け入れられることがあります。

  • 非常用電源・設備:ポータブル発電機、蓄電池、スポットクーラーなど
  • 避難所備品:多機能ベッド、パーティション、衛生用品、保温用品など
  • デジタル・通信機器:自治体や避難所向けのタブレット端末、通信機器など
  • 自社開発製品・在庫:自社で製造・販売している衣料品、生活雑貨、防災グッズなど

ただし、受け入れ可能な物品・数量・品質・使用期限などの条件は、自治体や事業によって異なります。

物納の「寄附額」はどう決まる?

物納では、寄附する物品の価額を適切に算定する必要があります。法人税上、金銭以外の資産を無償で提供した場合の寄附金の額は、原則として贈与時の時価を基準に計算します。

ただし、企業版ふるさと納税における物納では、物品の種類や自治体の取り扱いによって必要な手続き・資料が異なる場合があります。そのため、「販売価格=そのまま寄附額」と一律に判断せず、事前に自治体へ確認することが重要です。

企業版ふるさと納税の要件を満たす物納については、現金による寄附と同様に、損金算入と税額控除による最大約9割の税負担軽減効果が得られる場合があります。

参照:物品による寄附の手続きに係るQ&Aの内容|内閣府

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企業版ふるさと納税は物納できる?やり方・メリット・注意点を解説

企業版ふるさと納税で被災地支援を行う際の注意点

利用前に、特に以下の4点を確認しましょう。

①本社所在地の自治体への寄附は対象外

企業版ふるさと納税では、本社が所在する地方公共団体への寄附は制度の対象外です。

ここでいう「対象外」とは、企業版ふるさと納税による税額控除の対象外という意味であり、寄附そのものが禁止されているわけではありません。

②物納(現物寄附)は自治体への事前確認が必要

物納を希望する場合は、次の点を確認しましょう。

  • その事業が現物寄附を受け入れているか
  • 必要としている物品・数量は何か
  • 物品の価額をどう算定するか
  • 必要な書類は何か

③10万円以上の寄附が対象

企業版ふるさと納税は、10万円以上の寄附が対象です。

物納の場合も、物品の価額などを適切に確認したうえで制度上の要件を満たす必要があります。

④寄附の見返りとして経済的な利益を受けない

企業版ふるさと納税では、寄附の代償として企業が経済的な利益を受けることは禁止されています。

そのため、自治体との契約や便宜などを寄附の条件にすることはできません。

企業版ふるさと納税の寄附から申告までの大まかな手順

企業版ふるさと納税を利用する際の基本的な流れは以下のとおりです。

STEP1:支援先・対象事業を選ぶ

企業版ふるさと納税の対象となっている自治体・事業から、支援先を選びます。

災害復旧・復興事業であっても、企業版ふるさと納税の対象事業として認定されているかどうかを自治体に確認しましょう。物納の場合は、物品の受け入れ可否や必要数量、評価方法も確認します。

STEP2:自治体へ寄附を申し出る

支援する事業を決めたら、自治体に寄附の意思を伝えます。

必要書類や寄附方法を確認し、現金寄附の場合は指定された方法で納付します。物納の場合は、自治体との調整後に物品を納付します。

STEP3:必要書類を受け取り、税務申告する

寄附後は、自治体から受領書などの必要書類を受け取ります。

その後、法人税等の確定申告で所定の書類を提出します。物納の場合は、物品の価額や必要な証憑について、自治体や税理士などに事前確認しておくと安心です。

参照:法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)|国税庁

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※本記事は、企業版ふるさと納税や法人による災害支援に関する一般的な情報を提供することを目的としています。個別の税務上の取り扱いや税負担軽減額は、法人の状況、寄附先、寄附方法、対象事業などによって異なります。具体的な取り扱いについては、自治体や税理士などの専門家にご確認ください。

このコラムの執筆者

マネハブ編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
みなさまの資産形成に役立つ情報を日々発信しております。

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