株の初心者は株式投資を始める前に、利益が出る仕組みやリスク、基本用語などを押さえておく必要があります。株の初心者が知っておくべきことや勉強したいこと、具体的な始め方、リスクを抑えて投資するためのコツを解説するので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
株式投資の始め方
株式投資は、以下の手順で始めます。
- 証券口座を開く
- 証券口座に資金を入金する
- 銘柄を選んで購入する
最初に証券会社で口座を開設する必要があります。証券会社は数多くありますが、取引手数料やサイトの見やすさ、使い勝手に注目して選ぶといいでしょう。
一般的に、店舗を持たないネット証券は取引手数料が安価な傾向にあります。証券口座はいくつでも開設できるので、気になる証券会社が複数あるときは、口座も複数開設してみましょう。
1.証券口座を開く
口座を開設する証券会社を選んだら、次の手順で口座開設をしましょう。
- インターネットで口座開設を申請する
- マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を提出する
- 口座開設完了後、IDとパスワードで取引ページにログインする
証券会社によっては、アプリなどを使って簡単に本人確認書類を提出することが可能です。口座開設が完了すると、メールや郵便でログインに必要なIDとパスワードを受け取れます。
2.証券口座に資金を入金する
証券口座を開設できたら、資金を入金します。インターネットバンキングを使って証券口座に入金する場合は、銀行などでインターネットバンキングに登録しておく必要があります。
また、銀行口座から証券会社が指定する口座に振り込むことも可能です。いずれもネット証券では入金手数料は無料のことが多いですが、有料のケースもあるので事前に確認しておきましょう。
3.銘柄を選んで購入する
購入したい銘柄を選び、数量を指定して購入手続きを行います。株価を指定したい場合は「指値」、その場で取引を確定したい場合は「成行」で注文しましょう。
証券会社では、さまざまな情報が公開されています。取引数が多い人気の銘柄や初心者に人気の銘柄、株主優待が充実している銘柄などの情報も公開しているので、参考にしてもいいでしょう。
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株式投資の初心者に勉強してほしい3つのこと
株式投資は定期預金のように元本が保証されていないため、場合によっては損失が生じることがあります。なるべく損失を避け、できるだけ利益を得るためにも、ある程度勉強してから投資を行うことが重要です。
株の初心者に勉強してほしいことは以下の3つです。
- 株価チャートの見方
- 基本的な分析方法(銘柄の選び方)
- 正しい情報を得ること
すでに株式投資を始めている方も、継続して勉強することをおすすめします。更なる利益を得るためにも、しっかり押さえておきましょう。
1.株価チャートの見方
「株価チャート」とは、特定の期間内の株価の動きを示した図です。証券会社では、株式の各銘柄のページに株価チャートを表示しています。株価チャートの見方を覚えると、株価の動きを予想しやすくなるでしょう。
株価チャートは「ローソク足」と呼ばれる図から成り立っています。ローソク足はその名の通りローソク状の絵です。
白で記載されているものは「陽線」(赤やオレンジなどの暖色系のこともある)、黒で記載されているものは「陰線」(青やグリーンなどの寒色系のこともある)と呼び分けます。
陽線においては、ローソクの本体の上線が「終値」、下線が「始値」、本体の上のヒゲの先端が「高値」、本体の下のヒゲの先端が「安値」です。陰線では高値と安値は同じですが、ローソクの本体の上線が始値、下線が終値になります。
陽線が株価チャートに並んでいるときは株価が上昇傾向にあること、反対に陰線が並んでいるときは下落傾向にあることが読み取れます。気になる株式や保有株式のチャートはこまめにチェックして、株価の動向をつかんでください。
2.基本的な分析方法(銘柄の選び方)
株価や企業が公表しているデータから分析する方法を覚えると、投資の目安を理解しやすくなります。例えば割安な株式を購入すれば、株価が上がり、キャピタルゲインを得られる可能性が高いです。
割安かどうかは、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)を計算して判断してみましょう。それぞれの数値が類似企業の数値よりも低いときは、割安と考えることができます。
PER = 株価 ÷ 1株あたり当期純利益
PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産
長期的に投資をする場合は、配当利回りが高いかどうかもチェックしてみましょう。配当利回りが高ければ、長期的に保有してインカムゲインを期待できます。
3.正しい情報を得ること
株式投資は、これからの株価の動きを予想して利益を得る投資方法です。将来の株価を予想して株式を購入するため確実に利益を得られるとは限りませんが、正しい情報をこまめに入手することで、利益を得られる確率を高めることはできます。
例えば以下の情報は、正しい情報として活用することができるでしょう。
- 企業のホームページ
- 証券会社のホームページ
- 四季報
- 新聞で公表されているデータや分析、ニュース
「〇〇社の株価が上がるらしい」といったような噂話に左右されるのではなく、新聞や証券会社が提供する根拠のある情報を基に銘柄を選んでいきましょう。
株初心者が実践したいリスクの軽減方法3つ
株式投資は将来の株価を予想して購入するため、必ずしも利益を得られるとは限らず、どんなに経験を積んでいる投資家でも損失を出してしまう可能性があります。投資におけるリスクを少しでも軽減するために、次の3つの方法を実践していきましょう。
- 余剰資金で少額投資・現物取引から始める
- 分散投資でリスクを減らす
- 購入や損切りタイミングはマイルールを決めておく
1.余剰資金で少額投資・現物取引から始める
株の初心者は、余剰資金かつ少額投資で株式投資を行うようにしましょう。余剰資金かつ少額であれば万が一損失を出したとしても、生活に大きな影響は与えません。
また、値下がりが予想されるときに活用できる信用取引ですが、現物取引とは異なり金利や貸株料などが発生するため、利益を出しづらくなることがあります。初心者はまずは現物取引から始め、信用取引は慣れてきてから挑戦することを考えましょう。
2.分散投資でリスクを減らす
特定の銘柄に全資産を投入すると、株価が下落したときに損失が大きくなってしまいます。投資を行うときは必ず複数の銘柄に資金を分散させ、リスクも分散させることが大切です。
なお、分散投資を行うときは、株価の動きにおいて類似性の少ない銘柄を選ぶことをおすすめします。似たような動きをする銘柄を購入すると、株価が下がると他の株価も下がることが多く、損失が増えてしまう可能性があるためです。
3.購入や損切りタイミングはマイルールを決めておく
「〇円以下になったらA社の株式を購入する」「〇円以下に下がったときはB社の株式を手放す」というように、購入・売却のルールを最初に決めておきましょう。
ルールを決めておかないと、保有する株式の価格が下がってもなかなか手放すことができず、損失が拡大してしまうことも少なくありません。
なお、利益が出ていない状態で株式を売却することを「損切り(そんぎり)」といいます。損切りのマイルールを決めておくことで、損失を少なく抑えることができるでしょう。
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初心者がおさえておきたい基礎知識
株式投資とは、株式を利用して利益を得ることです。株式を売買することでも利益を得られますが、保有することでも利益を得られます。
株式とは、株式会社が資金を調達するために用いる手段、あるいは出資者に渡す投資の証明書のことです。例えば投資家が100万円を株式会社に出資すると、代わりに100万円分の株式を受け取ります。
1.株式投資を行うメリットや利益が出る仕組み
株式投資のメリットは、利益を得られることです。上手に株式を活用すれば、年数%の利回りで利益を得ることもできるでしょう。
利益を得る仕組みは主に2つ。1つはキャピタルゲインと呼ばれるもので、株式を売買することで利益を得られます。購入した株式の株価が上昇したときに売却すれば、手数料と税金を除いて、その差を利益として得ることができます。
もう1つはインカムゲインと呼ばれるものです。株式によって年にいくらかの配当金が出るため、保有株数に応じた配当金を受け取ることができます。長期間保有するならば、ある程度安定した利益が期待できるでしょう。
この2つ以外で利益を得られる仕組みとしては、株主優待も挙げられます。株主優待はすべての株式において設定されているわけではありませんが、年に1~2回程度、自社商品が自宅に送られてきたり、自社サービスを利用できるクーポンを受け取れたりします。また、自社商品以外にも利用できる金券として受け取れるものもあります。
2.株式投資のリスクは自己責任
株式投資を始めるにあたり、初心者が肝に銘じておかなくてはいけないこととして、投資のリスクはすべて自己責任であるということが挙げられます。そのため、損失が発生しても企業側が補填することはありません。
例えば、売却したときの株価が購入したときより下がっているときは、損失が発生しますが、企業が損失分を保証してくれることはありません。キャピタルゲインはマイナスになることもあるのです。
インカムゲインや株主優待も、企業の業績によってはなくなることがあるので注意しましょう。
3.株式投資は少額投資も可能
株式は、基本的には100株単位で購入します。といっても高額な資金が必要なわけではありません。上場株式の約4割が1株1,000円以下のため、10万円以内で購入することができます。(※2018年11月現在/SMBC日興証券調べ)
また、証券会社によっては1株単位や金額で株式を購入することも可能です。100円~株式投資が可能な証券会社もあり、資金が少なくても始められます。
4.現物取引と信用取引は別物
現物取引とは現金で株式を購入する取引方法ですが、信用取引とは担保を証券会社に預け、株式などを借りて取引する方法です。
現物取引では保有していない株式は売却できませんが、信用取引では株式を借りることで、保有していない株式も売却できます。つまり、信用取引を利用すれば、高く売った後に安く買い戻すことで、値下がりしそうな株式でも利益を得ることができるのです。
しかし、予想が外れた場合は借りた以上の支払を求められることもあるため、信用取引のリスクは十分に理解しておかなくてはなりません。
5.投資スタイルは短期投資・長期投資の2つ
株式の保有期間によって投資スタイルを「短期投資」と「長期投資」に分けることができます。
短期投資は短期間で売買を繰り返して利益を得るスタイルで、デイトレードなどが短期投資に当たります。値動きが激しい株式であれば短期間で利益を得ることも可能です。
投資資金を有効活用するためにも、短期投資では自分が決めたルールに従って機械的に売買を繰り返します。ルールを作るためにも、様々なチャート分析を知っておく必要があるでしょう。
長期投資は長期間保有することで利益を得る投資スタイルで、目先の株価の動きに左右されるのではなく、企業の将来性や成長を期待して投資をします。含み損が出ても長期保有し続けることで、資産を増やせる可能性があります。
企業によっては株価が2~3倍になるケースもあるでしょう。また、長期投資はインカムゲインも得られる点もメリットです。株の初心者には、時間をかけて売り時・買い時を見極める長期投資が向いているでしょう。
株式投資の基本用語を解説
株式投資自体は、専門用語や関連用語を知らなくても行えます。しかし、株式投資の勉強をしていくためには、投資関係の記事やレポートなども読む必要があるため、ある程度の用語は知っているほうがよいでしょう。
株式投資を行う上で知っておきたい基本用語を8つ紹介します。ぜひ覚えて、株式投資についての勉強も始めていきましょう。
1.銘柄
株式や投資信託、債券などの有価証券を呼び分ける名称のことを「銘柄」といいます。例えば株式会社Aの株式であれば、「A社株」が銘柄です。
なお、株式の銘柄はシンプルに「社名+株」で表現できますが、社債などの債券については注意が必要です。一般的には、発行回数や債券の種類によって「社名+第〇回+社債の種類名」などのように表現します。
2.約定
取引が成立することを「約定(やくじょう)」といいます。市場が開いているときは常に株価は変動しているため、成行(なりゆき、価格を指定しないで注文すること)で取引をする場合は注文が確定するまで約定価格は分かりません。
なお、予め価格を指定した指値取引(さしねとりひき)では、約定価格と注文価格は同一です。特定の株価で取引したい場合は、指値注文を選びましょう。
3.株価底値・天井
株価が下がり、これ以上は下がらないと思われる価格のことを「底値」や「底」といいます。底値を見分けることができれば、そのタイミングで購入することで利益を得やすくなるでしょう。しかし、底だと思っていてもさらに値下がりすることもあるので注意が必要です。
反対に「天井」とは株価がこれ以上は上がらないと思われる価格のことを指します。天井になった時点で売却すれば、利益を最大限にできるでしょう。しかし、底と同様、予想に反して天井よりも値上がりすることもあります。
4.円高・円安
外貨に対して日本円が強くなることを「円高」、反対に日本円が弱くなることを「円安」といいます。例えば1米ドル=100円から90円に動いたときは円高、100円から110円になったときは円安です。
国内株式を売買する際には円高・円安を特に気にする必要はありませんが、外国との貿易で利益を得ている企業は為替の動きが株価に反映されることもあります。
例えば自動車産業や電機工業は円高のときに株価が下落する傾向にあり、主に輸入に頼る電力やガス、化学工業などは円安時に株価下落が見られることも少なくありません。
5.証券取引所(株式市場)
「株式市場(かぶしきしじょう)」や「証券取引所」とは、株式を取引する場所のことです。日本には東京証券取引所以外にも福岡や名古屋などにも証券取引所があり、それぞれ取引する株式が異なります。
また、東京証券取引所の中にも「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」と3つの市場があり、市場ごとに企業の規模や上場基準も変わります。
6.始値・終値・高値・安値
市場が開いた時点での株価を「始値(はじめね)」といい、市場が終わる時点での株価を「終値(おわりね)」といいます。
一方、当日内のもっとも高い株価は「高値(たかね)」、もっとも低い株価は「安値(やすね)」です。株価が下落の一途をたどっているときは終値と安値が同一になり、反対に上昇の一途をたどっているときには終値と高値が同一になることもあります。
7.ストップ高・ストップ安
日本の株式市場では株価の暴落や高騰を避けるために値動きに制限が設けられているため、一定の金額まで値上がりすると「ストップ高(すとっぷだか)」になり、それ以上の株価での取引は行われません。
反対に一定の金額まで値下がりしたときには「ストップ安(すとっぷやす)」となり、それ以下での価格での取引ができない仕組みです。
なお、ストップ高やストップ安で取引が停まったときは、取引量の多い金融機関から優先的に、約定が決まります。
8.日経平均株価
「日経平均株価」とは、東京証券取引所一部で取引されている株式の中から選ばれた225銘柄の株価を平均し、調整して算出した数字のことです。各業種を代表する企業の株式が選ばれているため、日経平均株価を見ることで、日本全体の景気動向や経済成長率を把握することができます。
なお、日経平均株価以外の景気動向を知る株式指数として「東証株価指数(TOPIX)」が挙げられるでしょう。東証株価指数は日経平均株価とは異なり、株価に発行済み株式数をかけた時価総額から算出しています。
株初心者は基本を知って少額投資から始めよう!
株式投資の初心者が知っておくべき基本を紹介しました。自分の資産を自分で構築するためにも、ぜひ株式投資にも注目してみましょう。
老後や日常生活にゆとりを生むためにも、株式投資で資産を増やせるように早めに始めることをおすすめします。株式投資について学び、手数料が低い証券会社で口座を開設し、余剰資金を使って少額投資から始めてみましょう。
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このコラムの執筆者
MONEY HUB PLUS 編集部
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