2022年4月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

2022年4月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

政治・経済

本記事は、三井住友DSアセットマネジメントが発行している「投資環境の見通し(2022年4月号)」をもとに、日本とアメリカの経済動向をマネハブ編集部が抜粋しまとめたものです。

アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し

経済見通し

アメリカ

01.景気のイメージ

22年の成長予想を3.4%から2.9%に修正。ウクライナ危機の影響を考慮。23年は2.1%と予想。ウクライナ危機は原油価格上昇、家計の実質所得目減りを通じて消費に悪影響を与える。但し、雇用情勢が堅調なため米景気の大崩れは回避されよう。インフレは22年中は高止まり、ピークアウトは23年以降にずれ込む可能性。

02.金融政策(今後1年程度)

正常化を急ぐFRB
FRBは22年3月のFOMCで0.25%の利上げを決定。22年は計7回(FOMC会合毎)の利上げを行い、5月、6月はそれぞれ0.5%の引き上げを予想。バランスシート縮小は22年5月に決定されたよう。23年の利上げは2回がメインシナリオ。景気・物価次第だが、中立をやや上回る水準までの利上げを見込む。

日本

01.景気のイメージ

22年度を中心に成長率を下方修正。22年度は2.4%、23年度は1.1%と予想。22年1-3月はマイナス成長だろうが、その後は、感染抑制、経済対策効果により回復へ。但し、ウクライナ危機の影響で景気回復のモメンタムは前回見通しよりも慎重に考える。インフレ率は一時的に前年比2%に近づくが先行きは同1%後半での高止まりを予想。

02.金融政策(今後1年程度)

金融緩和の継続性を意識
日銀は原材料高による物価上昇は持続性が乏しいと判断し、黒田体制下では金融政策を据え置こう。23年4月の総裁交代後、イールドカーブコントロールの柔軟化(長期金利レンジの拡大:±0.25%→±0.5%)などが検討される可能性。マイナス金利の解除は、現時点では、メインシナリオとはせず。

※太字は注目点を示す。FRB:米連邦準備制度理事会。FOMC:米連邦公開市場委員会。ECB:欧州中央銀行。MLF:中期貸出制度。 ※各種報道等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

IFAの用語解説「イールドカーブコントロール」

用語説明
今回の用語解説は「イールドカーブコントロール」です。

イールドカーブコントロールとは、日本国債の利回り曲線(イールドカーブ)をコントロールするという政策です。

国債には残存年数に応じて利回りが決まってきます。
一般的には、短期国債(期間が短い国債)は金利が低く、長期国債(期間が長い国債)は金利が高くなります。

しかし金利は各国債の需給によって決まるため、短期国債の方が長期国債よりも金利が高くなり、金利差が逆転することもあります。(これを逆イールドといいます)
金利差が逆転する逆イールドは、経済においては悪影響を及ぼすと言われています。

イールドカーブ

よって日本銀行は、利回り曲線(イールドカーブ)を操作(コントロール)して短期金利は低く、長期金利は高い状況を意図的に作り出します。

イールドカーブコントロール

今まで日銀は長期国債利回りの変動幅を、0%を中心に±0.25%のレンジで設定してきました。
現在+0.25%に近づいてきており、通常であればこれ以上利回りが上昇しないように国債買い入れを行います。
しかし今回、日銀で設定レンジを±0.50%にすることが検討され、国債の買い入れはせず、長期金利と短期金利の差を広げようとしているのです。

こうして短期金利と長期金利の差を広げておき、イールドカーブに柔軟性を持たせることをイールドカーブコントロールの柔軟化といいます。

イールドカーブの柔軟化

アメリカの利上げ

利上げ
ウクライナ情勢を受けてエネルギー価格が上昇し、それに伴いアメリカでは高い物価上昇(インフレ)が継続しています。
元々、アメリカは人口増加している国であり、物価上昇(インフレ)が継続している国です。
そして、コロナショック時にFRB(米連邦準備理事会)は緊急利下げを行い、景気刺激策を取りました。

金利が低い状態では、現金をモノに換えた方が得だと考え、経済活動が活発になり個人消費が潤います。
ゼロ金利政策が長引いたせいでインフレ率の上昇も歯止めが利かなくなり、40年以上つけたことがない前年同月比で物価上昇(インフレ)率約8%となりました。
このまま、現金をモノに換える流れを止めるためにアメリカは金利を段階的に上昇させよう(利上げ)を計画しております。

将来のアメリカの金利が上昇することにより、株式市場においては停滞する可能性があります。2022年、2023年は【利上げの年】と認識されて株式投資家においては今までよりも運用が難しくなりそうです。

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このコラムの執筆者

MONEY HUB PLUS 編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
みなさまの資産形成に役立つ情報を日々発信しております。

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