2022年6月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

2022年6月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

政治・経済

本記事は、三井住友DSアセットマネジメントが発行している「投資環境の見通し(2022年6月号)」レポートをもとに、日本とアメリカの経済動向をマネハブ編集部が抜粋しまとめたものです。

また、レポートの中から気になる用語をIFAが解説します!

アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し

経済動向

アメリカ

01.景気のイメージ

1-3月のマイナス成長を受け、22年の成長予想を2.5%に下方修正。景気に懸念材料はあるが堅調な雇用がサポート材料。インフレの基調はなお強く、賃金上昇も続くが、コアCPIには中古車価格が下がり、その他の財についても需給バランスの改善がみられるなど財を中心に変化の兆候もある。今後サービス物価の動きが注目される。

02.金融政策(今後1年程度)

正常化を急ぐFRB
FRBは22年3月のFOMCで0.25%の利上げを実施、5月には0.5%の追加利上げとバランスシート縮小開始を決定。先行きは、22年6、7、9月に0.5%ずつ、11、12月と23年3月に0.25%ずつの利上げを追加すると予想。中立をやや上回る水準までの利上げを見込む。

※実際は6/15のFRB会合で6月は異例の0.75%利上げに踏み切りました。

日本

01.景気のイメージ

22年度2.1%、23年度1.3%の予想を維持。22年1-3月は前期比年率▲1.0%と2四半期ぶりにマイナス成長となった。4-6月以降は、中国向けの輸出の減速がマイナス要因だが、人流回復や経済対策効果を背景に、プラス成長に転じよう。コアCPIは4月に前年比+2.1%に加速、22年内は高止まろう。

02.金融政策(今後1年程度)

金融緩和の継続性を意識
日銀は原材料高による物価上昇は持続性が乏しいと判断しており、黒田体制下では金融政策を据え置こう。23年4月の総裁交代後、イールドカーブコントロール(YCC)の柔軟化(長期金利レンジの拡大:±0.25%→±0.50%等)等が検討される可能性。マイナス金利の解除は、現時点ではメインシナリオとはせず。

※太字は注目点を示す。FRB:米連邦準備制度理事会。FOMC:米連邦公開市場委員会。ECB:欧州中央銀行。MLF:中期貸出制度。 ※各種報道等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成 ※掲載内容は2022年6月9日時点のものです。

IFAの用語解説「コアCPI」

用語解説

CPIとは経済指標の一つ「消費者物価指数」を指します。
CPIは、対象とする商品によって3つに分類されます。

・総合指数・・・すべての対象商品によって算出される指数
・コアCPI・・・総合指数から生鮮食品を除いた指数
・コアコアCPI・・・総合指数から生鮮食品、エネルギーを除いた指数

生鮮食品、エネルギーは天候や市況などの外的要因により変動します。
物価の基調(トレンド)を把握するため、コアCPIとコアコアCPIが存在しています。

例えば、野菜などの不作で値段が高騰しているという状況は、総合指数に影響しますが、コアCPIには影響しません。

日本では、2022年4月は前年比で総合指数(2.5%)、コアCPI(2.1%)、コアコアCPI(0.8%)上昇していることが読み取れます。どの指数も上昇しており、例年とは異なった動きになっているのが分かります。

CPIの上昇は物価の上昇を示しており、モノやサービスの本格的な値上げが始まっていると言えます。

2020年基準 消費者物価指数 全国2022年4月分

(※総務省 公表資料を元に一部編集)

IFAの用語解説「バランスシート縮小」

バランスシートは、財務の状態を表します。
膨張したバランスシートを正常に戻す施策が、「バランスシート縮小」です。

米国の中央銀行の役目を担うFRB(米連邦準備理事会)は、過剰なインフレを抑制するため、金利の利上げを推し進めています。同時に金融緩和で放出していた資金を回収するバランスシートの縮小も始めようとしています。

今までは、【金利利下げ+バランスシート拡大(資金を市場に放出)】をしていたので景気刺激策を取っていました。しかし、過剰に資金が放出されてしまいインフレ率も抑えが効かなくなってしまいました。
車の運転で例えると、ずっとアクセルを踏み込んでいる状態です。

しかし、ずっとアクセルを踏み続け、スピードを出しすぎている状態は正常とはいえません。ブレーキを踏んで適切な速度へ緩める必要があります。
そこで、景気を意図的に抑え込むための施策である【利上げ+バランスシート縮小(市場から資金を回収)】が検討されているのです。

ここで問題なのは、ブレーキを踏む度合いです。
【利上げ+バランスシート縮小】をやりすぎると、経済が落ち込んで景気後退につながってしまいます。そのブレーキの踏み込み加減を調整し、経済を上げすぎず下げすぎない緻密なかじ取りがFRBに要求されています。

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このコラムの執筆者

MONEY HUB PLUS 編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
みなさまの資産形成に役立つ情報を日々発信しております。

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