本記事は、三井住友DSアセットマネジメントが発行している「投資環境の見通し(2022年11月号)」レポートをもとに、日本とアメリカの経済動向をマネハブ編集部が抜粋しまとめたものです。
また、レポートの中から気になる用語をIFAが解説します!
アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し
アメリカ
01.景気のイメージ
データ改訂を受け、22年の成長率予想を1.9%に0.2%上方修正したが、先行きはFRBの利上げ効果により減速。23年は0.8%で据え置き。サービス業・雇用が底堅いが、その分FRBの利上げも拡大。金融引き締めがいずれ雇用鈍化にもつながり、23年にかけ景気は減速。インフレは、財価格がピークアウトの方向にある一方、賃金・サービス価格が粘着的で、当面高止まり。
02.金融政策(今後1年程度)
利上げを前倒し・拡大
FRBは7、9月、11月と0.75%の利上げを実施。11月の声明文では先行き利上げが小刻みになる可能性が示されたが、インフレが粘着的なため、ターミナル水準は9月のガイダンスよりも高くなろう。12月0.5%、23年2、3月に0.25%ずつの利上げを追加、FFレートを4.75-5.00%に引き上げた後、様子見に転ずると予想。
日本
01.景気のイメージ
設備投資関連指標が堅調なため、22年度の成長率予想を2.0%に上方修正。23年度は0.7%で据え置き。23年前半は中国を含めて、海外の景気減速の影響に注意。コア消費者物価指数(CPI)上昇率は22年終盤に前年比3%を超えるペースに加速するだろうが、23年以降は、エネルギー価格の騰勢が峠を越えることや景気減速の影響などから鈍化する見通し。
02.金融政策(今後1年程度)
金融緩和の継続がメインシナリオ
日銀は原材料高による物価上昇は持続性が乏しいとして金融政策を据え置き。23年4月の総裁交代後、イールドカーブコントロールの柔軟化(長期金利レンジの拡大:±0.25%→±0.50%等)が検討される可能性。政策調整が早まる可能性として、為替と世論・政治情勢に注意したい。
※太字は注目点を示す。FRB:米連邦準備制度理事会。 ※各種報道等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成。 ※掲載内容は11月7日時点のものです。
IFAの用語解説「コストプッシュ物価上昇」
原材料費など、コストの上昇が原因で起こるインフレーション(物価上昇)のことです。人手不足による賃金高騰も、コストプッシュ物価上昇の原因になります。
コストプッシュ物価上昇は、供給側の都合で起こる物価上昇と言えます。輸入物価の上昇など、外部要因が大きい場合は、対策を取ることが難しいです。
反対に、需要拡大が原因で発生する物価上昇は「ディマンドプル物価上昇」と言います。
IFAの用語解説「サービスインフレのピークアウト」
現在の米国のインフレは「住居」「医療」「輸送」などのサービスが主要因の「サービスインフレ」となっています。
このサービスインフレは、「住宅ローン高騰」「住宅価格下落」によりピークアウト(頂点に達し、これ以上は上がらないこと)するのではないかと予想されています。
米国のCPI(消費者物価指数)はその約43%がサービス項目で占められるため、サービスインフレがピークアウトすると、米国全体のデフレにつながると考えられます。
このコラムの執筆者
MONEY HUB PLUS 編集部
株式会社Fan
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