本記事は、三井住友DSアセットマネジメントが発行している「投資環境の見通し(2023年7月号)」レポートをもとに、日本とアメリカの経済動向をマネハブ編集部が抜粋しまとめたものです。
また、レポートの中から気になる用語をIFAが解説します!
アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し
アメリカ
01.景気のイメージ
雇用・消費が想定より底堅く、経済の軌道をやや上方修正。23年の成長率予想は1.8%で変わらないが、24年は1.0%から1.1%に修正。データをみる限り、目先は自然体、景気が悪化する状況にはみえない。リセッション回避をメインシナリオとしつつ引き締め効果を見守りたい。銀行不安が和らぐ中、FRBはインフレを警戒、利上げ2回追加する予想に修正。
02.金融政策(今後1年程度)
引き締め効果を注視しつつ小刻みな利上げ
FRBは6月は利上げを見送ったが、ドットチャートで年内2回の利上げを示唆。インフレ期待が安定する中、小刻みに利上げを追加、着地点を探っている。雇用・消費堅調、インフレ高止まりを考え、2回(7月・9月、0.25%)の利上げを追加後、様子見に転ずると予想。インフレ低下を確認、24年4-6月以降、利下げへ。
日本
01.景気のイメージ
23年度1.1%、24年度1.0%の成長を予想。24年度は0.1ポイント上方修正。先行き、外需の鈍化が予想されるが、内需・インバウンド消費が下支えとなろう。円安傾向をうけインフレ見通しを若干上方修正。但し、インフレは輸入物価の鈍化等から減速基調を転じよう。但し、賃上げ率の上振れから、コアCPIの前年比+2%割れ定着は来年半ば以降だろう。
02.金融政策(今後1年程度)
緩和的姿勢を維持
日銀は6月も現状維持。賃金・インフレに変化の兆候はあるが、なお不透明感が大きいとの認識。長期レビューを1~1年半かけ実施しつつ、政策修正には時間をかけよう。7月に10年債金利の変動幅拡大(±1.0%)を予想するものの、大枠では緩和的政策を維持しよう。円安が日銀の政策に与える影響に一応留意。
※太字は注目点を示す。FRB:米連邦準備制度理事会。 ※各種報道等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成。 ※掲載内容は2023年7月5日時点のものです。
IFAの用語解説「ドットチャート」
ドットチャートとは、金利予測分布図とも呼ばれ、 FOMC(※)の各メンバーの予想した将来的な政策金利(FFレート)を点で表した散布図のことです。毎年3月、6月、9月、12月にFRB(米連邦準備制度理事会)から公表されます。
ドットチャートは、今後の利上げ・利下げ幅や回数を検討する上で重要な指標となります。
FRBは景気が過熱した場合は政策金利を上げて資金供給量を抑制し、需給調節を行います。反対に景気が減速傾向にあるときは、政策金利を下げて資金供給量を増やします。
ドットチャートの公表は、FRBの意図を市場に伝えるための手段の一つです。
※FOMCについては、以下の記事内で解説しています。ぜひ参考にしてください。
IFAの用語解説「モメンタム」
モメンタムとは、相場の勢いを測る分析手法です。相場のモメンタムが強いという場合は相場の勢いは上向きであることを示します。
モメンタムの計算式は下記の通りです。
モメンタム=当日の終値-n日前の終値
nに入る数字に決まりはありませんが、5日、10日、20日、25日などが一般的です。モメンタムが0(ゼロ)以上なら強気相場、0以下なら弱気相場と判断されます。
売買のタイミングを計る手法として使われることもあります。ある銘柄の買いのタイミングを計る際に、一定期間のモメンタムを算出してグラフ化します。モメンタムがマイナスからプラスに転じる傾向があれば、その銘柄の買いのタイミングと判断します。
このコラムの執筆者
MONEY HUB PLUS 編集部
株式会社Fan
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