米株積立は毎月自動的に決まった株数の米国株式を購入でき、米国株式投資が初めての方にもおすすめのサービスです。米国取引時間に自動で買付を行うもので、投資スタイルに合わせて買付方法を選べます。
本記事では米株積立を始めるのにおすすめの証券会社や、人気銘柄などを紹介します。
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INDEX
米株積立とは?
米株積立とは、毎月自動的に決まった株数や金額以内で米国株式を購入できる商品です。定期的に一定の金額を投資することにより、価格が変動する商品を平均的に購入することができます。米株積立は投資するタイミングを判断しなくて済むなど、さまざまなメリットがあります。
米株積立の概要やメリットについて、見ていきましょう。
毎月決まった米国株式を購入できる
米株積立は米国株を、毎月一定の条件で自動買付するサービスです。購入したい銘柄や購入日、株数、価格を自由に設定します。買付価格が決まっているため、商品の価格が安いときには多く買い、高いときには少なく買うことになり、損失のリスクを減らすことができます。
米国の有名企業や成長の著しい企業に対しリスクを抑えた投資ができるため、着実な資産形成が可能です。
米株積立のメリット
米株積立のメリットは、購入のタイミングを気にする必要がなく、値動きのリスクも抑えられることです。為替レートの変動による影響も比較的少ないのも利点です。
購入は1株から可能であり、少ない金額から試せるというメリットもあります。また、米国銘柄は配当が高いものが多いことも魅力です。
米株積立のメリットについて、3つ紹介しましょう。
①タイミングを気にする必要がない
米株積立は自動的に買付ができるため、購入のタイミングを気にしなくて済むのがメリットです。米国株式は企業の業績や経済などさまざまな要素から判断しなければならず、投資に慣れていなければ適切な買い時のタイミングを見るのは難しいでしょう。
また、ニューヨークの取引時間は日本の夜中であり、リアルタイムに取引するには制約があります。米株積立であれば、このような問題もなく米国株式を購入できます。
②1株単位で購入できる
米国株式は1株から購入できるのが魅力です。日本の株式は基本的に100株単位で購入しなければならず、株価が1万円であれば100万円の資金が必要になります。初心者ではなかなか支出しづらい額といえるでしょう。
しかし、米国株式であれば1株でも購入できるため、少額から始めることができます。例えば、アップルの株価は2022年4月現在で1株あたり約2万円ほどです。
また、米国は利益を配当金として株主に還元する企業が多く、高配当な銘柄が多いという特徴があります。日本企業の多くは配当金の支払いが年2回であるのに対し、米国では年に4回という企業が少なくありません。
③値動きによるリスクを軽減できる
米国株式を一度に購入する場合、値動きによっては損失を出す可能性があります。しかし、定期的に購入する米株積立の場合、値が高い時期に購入することもあれば、割安の時期に購入することもあり、長期的に見ると値動きのリスクを軽減できます。
また、米国株式の購入は一般的に為替レートの影響を受けやすいものですが、米株積立で利用する為替レートはさまざまで、影響を少なくすることができます。むしろ、為替差益を得る可能性もあるでしょう。
円高のタイミングで買い付けした米国株を円安になったときに売却し、日本円で受け取ることで差益が得られます。
米株積立で人気の銘柄
米株積立では、アップルなど米国を代表する大企業の銘柄を買付できるのが魅力です。
米株積立で人気の銘柄は、アップルやマイクロソフト、コカ・コーラをはじめ、ソーシャルテクノロジー企業のメタ・プラットフォーム(旧名Facebook Inc)、再生可能エネルギーを扱うテスラなどがあげられます。
これら人気の銘柄をメインとする米国株は長期的に高い上昇を続けており、30年間で約12倍となっています。100万円が1,200万円に増える計算です。数年で株価が10倍になった株式も少なくありません。
日本円でも購入可能なETFとは
米株積立では、上場投資信託(ETF)も人気です。ETFとは、米国の証券取引所に上場し、株式と同じく市場で取引できる投資信託のことです。
米国ETFはさまざまな種類があり、NYダウやS&P500などの株式指数との連動を目指すものが代表的です。
米株積立では、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF、バンガード・米国高配当株式ETF、SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETFなどが人気を集めています。
初心者におすすめ
米国ETFは、米株積立が初めての方におすすめです。米国株式市場に上場する銘柄は6,000以上あり、日本の証券会社でもその多くを購入できます。数多くの銘柄からリターンが期待できそうなものを選ぶのは、取引が初めての方にとってなかなか困難です。
ETFであれば、1銘柄を購入するだけで高配当な銘柄に分散投資することができます。例えば、バンガード・トータル・ワールドストックETFは米国市場のほぼ全体に投資するETFです。大型株だけでなく、中小型銘柄や超小型の銘柄まで幅広くカバーしており、米国市場にまるごと投資できることになります。
バンガード・S&P500ETFは、米国株500株にわずか2万〜3万円の低コストで分散投資ができるETFです。
初めての米株積立で、まずは少額から始めたいという方は、ETFを試してみるとよいでしょう。
米株積立に適した証券会社の選び方
米株積立は多くの証券会社が扱っており、どこを選べばいいのか迷うこともあるでしょう。選び方のポイントは、米国株の取扱銘柄が多いこと、手数料が安いこと、注文方法が豊富にあることなどです。提供するサービスも各証券会社で異なるため、自分に合うサービスがあるかも選ぶポイントになります。
米株積立に適した証券会社の選び方について、詳しく見ていきましょう。
取扱銘柄数が多いこと
米国株を扱わない証券会社もあり、扱っていても数が少ない場合があります。まずはどのくらいの数を扱っているかを確認しましょう。
取り扱いの多い証券会社であれば、多くの選択肢から銘柄を選んで効果的な分散投資ができます。
特に取扱銘柄が多いのは楽天証券、SBI証券で、米株積立でも充実したサービスを提供しています。
豊富な注文方法があること
注文方法が豊富にあることも選ぶポイントです。注文方法には成行注文と指値注文、逆指値注文の3種類があります。
基本となるのは成行注文と指値注文です。成行注文は価格を指定せず、その時点での株価で注文します。
指値注文は、金額を指定して注文を出す方法です。一定の金額よりも低くなったら買う、高くなったら売るといった注文方法です。
この2つはほとんどの証券会社で利用可能です。
指値注文の反対である逆指値注文もあります。指定した価格に到達すると指値注文と反対の売買をします。株価が下がったら売り、上がったら買うという注文方法です。これにより、株価が暴落したときに自動的に売ることができます。
これら3つの注文方法ができるところを選べば、取引がよりスムーズになるでしょう。
米株積立でおすすめの証券会社
米株積立を取り扱う証券会社のうち、特におすすめなのは楽天証券とSBI証券です。どちらも米国株の取扱銘柄が多く、決済通貨として日本円と米ドルの選択ができるなどのメリットがあります。
また、楽天証券は楽天ポイントが貯まる、SBI証券は日本で唯一米国貸株サービスを行っているなどが特徴です。
これら、米株積立でおすすめの証券会社を紹介します。
楽天証券
楽天証券は2022年4月時点で、4,700以上の米国株を扱っています。
決済通貨として日本円または米ドルの選択ができ、円貨決済の場合は自動入出金にも対応可能です。
楽天カードの利用で楽天ポイントが貯まるほか、貯まったポイントは円貨決済に限り、1ポイント=1円として代金に充当できます。
また、NISA口座を利用すれば米国ETFの買付手数料を全額キャッシュバックするというのも、ほかの証券会社にはないメリットです。
SBI証券
※SBI証券でのサービス名称は、「米国株式・ETF定期買付サービス」となります。
SBI証券は2022年4月現在、5,000以上の米国株を扱っています。
NISA口座で米株積立を行う場合、「NISA枠ぎりぎり注文」、「課税シフト注文」という設定が可能です。「NISA枠ぎりぎり注文」は、NISA口座での定期買付時に設定金額がNISAの投資可能枠を上回っていた場合、投資可能枠の範囲内まで引き下げて発注を行うサービスです。「課税枠シフト注文」はNISA投資可能枠が設定金額未満だった場合、次のような発注を行います。
- NISA投資可能枠の範囲で、発注できる金額分を発注する
- 設定金額から、NISA注文として発注した金額を引いた残りの金額の枠内で、課税預りで発注する
「NISA枠ぎりぎり注文」と「課税枠シフト注文」を組み合わせることで、効率の良い定期買付ができます。
SBI証券は、米国貸株サービスが利用できるのもメリットです。貸株サービスとは、保有している米国株を貸し出し、金利を受け取るサービスです。SBI証券が借り受けた米国株は機関投資家が参加する「貸株市場」に貸し出し、そこから受け取った金利を顧客に支払うという仕組みです。
貸株サービスでは米国株をはじめ米国ETFなど2,000以上の銘柄を貸し出すことができ、一部の需要が高い銘柄には、通常より高いプレミアム金利が設定されています。
楽天証券とSBI証券の比較
楽天証券とSBI証券はどちらも米国株の取り扱いが多く、米株積立を始めやすい証券会社です。
SBI証券は証券口座開設が720万を突破し、国内株式個人取引では最大のシェアを誇ります。楽天証券は2021年の個人資産運用満足度1位を獲得するなど、安心して利用できる会社です。
それぞれのメリットを表にまとめました。選ぶ際の参考にしてください。
楽天証券 | ・外貨決済または日本円による円貨決済が選べる |
---|---|
・NISA口座の利用で手数料がお得になる | |
・楽天カードの決済で楽天ポイントが貯まり、投資に利用できる | |
・期間を設定してキャッシュバックのキャンペーンがある | |
SBI証券 | ・外貨決済または日本円による円貨決済が選べる |
・NISA口座を便利に活用できる | |
・米国貸株サービスを利用できる | |
・三井住友カードの決済でVポイントが貯まる | |
・取引に応じてTポイントやPontaポイントが貯まり投資に利用できる |
米株積立がおすすめな人
米株積立は期間や金額を決めて定期的に自動買付ができる方法であり、忙しくて自分で買付をする時間がない方や、毎月決まった日に忘れずに買付がしたいという方におすすめです。
また、米株積立はゆっくり時間をかけて利益を生む投資であり、長期的に資産形成をしたい方に向いています。
米株積立がおすすめな人について、見てみましょう。
時間と手間を省きたい
米株積立は、忙しくて時間と手間を省きたいという方に最適です。毎月設定した日や曜日に買付ができ、ボーナス月の設定もできます。ニューヨーク取引時間は夜中であるため起きていられないという方、忘れずに定期的な投資をしたい方におすすめです。
また、米国株への投資が初めての方にもおすすめです。米国株は買い付けのタイミングが難しく、初心者が始めるにはハードルが高いでしょう。しかし、米株積立ならどのタイミングで買付すればいいのか悩む必要もなく、すぐに始められます。
長期的に資産形成したい
米株積立は将来に備え、長期的に資産形成したい方におすすめです。短期にハイリターンを期待できる商品ではなく、時間をかけてコツコツと投資をしながら資産を形成します。結果に一喜一憂してしまう方にはあまり向いていません。
運用結果が良いときや悪いときがあることを把握し、長い目で待てる方に適しています。
米株積立の始め方
米株積立を始めるには、まず自分に合う証券会社を選んで口座を開設します。楽天銀行やSBI銀行であれば、口座開設から取引開始まですべての手続きをネット上で完結できます。開設後は口座に入金し、投資したい銘柄に注文を入れるという流れです。
ここでは米株積立の始め方について、楽天証券の口座開設を例に手順を紹介します。
1.口座を開設する
楽天証券のホームページを開き、「口座開設」ボタンをクリックします。メールアドレスを登録すると確認メールが送信されるため、そちらに記載されたURLをクリックしてください。申し込みの画面が開きます。
提出する本人確認書類について、以下の2つからいずれかを選んでください。
- 「スマホで本人確認」:スマートフォン+運転免許証または個人番号カードを所有している場合
- 「書類アップロードで本人確認」:上記以外
1の場合、スマホで本人確認書類を撮影し、情報を入力して送信すれば翌営業日以降にログインIDがメールで送付されます。
2の場合は本人確認書類をアップロードし、情報を入力して送信することで約5営業日以降にログインIDが郵送されてきます。
ログインIDは変更できないため、大切に保管しましょう。
2. 口座に入金する
口座を開設したら、口座に投資資金を入金します。利用している金融機関から、楽天証券が指定する口座に振り込みます。入金方法は以下の3通りです。
- 楽天銀行からワンクリックで入金する
- 提携先のインターネットバンキングから入金する
- 近所のコンビニATMや銀行窓口から振り込む
楽天銀行、インターネットバンキングからの入金は、手数料がかかりません。
3. 投資したい銘柄を注文する
銘柄の注文は、以下の手順で行います。
- 希望する米国株式銘柄の「積立設定」ボタンをクリックする
- 新規積立設定画面が開いたら、積立購入資金の決済方法と積立指定日を選択する
- 積立の買付方法を選択し、毎月の積立金額あるいは積立株数を入力する
- 口座区分を選択する
- 設定内容と初回買付日を確認する
- 取引暗証番号を入力し、「設定する」をクリックする
公式サイトでは動画による手順の説明も掲載しているため、チェックしておくとよいでしょう。
設定した米株積立は、パソコンのサイトにログイン後、「外国株式」→「米国株式」→「積立設定」→「積立設定一覧」の順に開いて確認できます。
米株積立で将来の資産形成を行おう
米株積立はあらかじめ金額や株数を設定し、自動的に買付を行うサービスです。買付のタイミングを気にすることなく、投資が初めての方でも始めやすいなど多くのメリットがあります。老後の資産形成など、長期的に資産運用をしたい方におすすめです。
楽天証券やSBI証券なら取扱銘柄も多く、ネットで簡単に始められます。少額から始められるため、まずは気軽に口座開設してみてはいかがでしょうか。
このコラムの執筆者
MONEY HUB PLUS 編集部
株式会社Fan
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