2023年10月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

2023年10月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

政治・経済

本記事は、三井住友DSアセットマネジメントが発行している「投資環境の見通し(2023年10月号)」レポートをもとに、日本とアメリカの経済動向をマネハブ編集部が抜粋しまとめたものです。

また、レポートの中から気になる用語をIFAが解説します!

アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し

アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し

アメリカ

01.景気のイメージ

成長率は23年2.3%、24年1.8%と予想。巡航速度近辺で緩やかに減速との見方を維持。23年7-9月に3%台の成長となった後、10-12月はガソリン価格上昇、学生ローン返済再開などから1%台半ばに鈍化しよう。ただ、高い名目成長の下、企業収益と雇用のバランスは崩れにくく景気は安定、賃金が上昇し、インフレ率が下げ渋る可能性がある。

02.金融政策(今後1年程度)

政策金利の高止まり期間がやや長引く見通し
FRBは9月の利上げを見送ったが、11月に0.25%の利上げを追加後、様子見に転ずるケースがメインシナリオ。中立金利の上昇を巡る議論と長期金利上昇が金融環境に与える影響に注意。景気が安定し失業率が低い中、インフレ率が低下するとしてもFRBの見通しよりも時間を要すと考えられ、利下げは25年初以降と予想。

日本

01.景気のイメージ

4-6月のデータ改訂、日中関係のインバウンドへの影響等を考慮し、成長率を23年度1.9%(前回2.5%)、24年度1.0%(同1.1%)に下方修正。外需鈍化も、経済活動再開の下、消費・設備投資を中心に内需の増加を予想。コストプッシュ圧力の緩和を受けインフレ率の上昇は鈍化しようが、賃上げの効果等もありコアCPIの前年比が2%を下回るのは24年度半ば以降となろう。

02.金融政策(今後1年程度)

メインシナリオは金融政策の大枠維持
日銀は7月会合でYCCの副作用に対して布石を打ったことで追加対応の必要性は当面低下。但し、植田総裁の会見等から判断して政策修正のハードルは想定していたよりは低い可能性。先行きは現状維持がメインシナリオだが、為替と24年春闘にかけての賃金動向によりケースが分かれよう。

※太字は注目点を示す。FRB:米連邦準備制度理事会。CPI:消費者物価指数。YCC:イールドカーブ・コントロール。
※各種報道等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成。 ※掲載内容は2023年10月5日時点のものです。

IFAの用語解説「EPS」

IFAの用語解説

EPSとは、「Earnings Per Share」の略で1株当たり純利益を指します。企業の収益力や成長性を測る指標のひとつです。数値が高いほど企業の収益力は高いといえます。以下の計算式で算出します。

EPS(1株当たり純利益)=当期純利益÷発行済株式総数

※当期純利益:企業が1年間の事業活動で上げた収益から、税金費用を含むすべての費用を差し引いた利益のこと

「日経平均の予想EPSが上昇傾向」とあれば、日本国内の企業の収益力が上昇傾向にあるということになります。

また、株価が割安か割高かを判断するための指標として、PERというものがあります。「Price Earnings Ratio」の略です。株価がEPSの何倍になっているかを示す指標です。一般にPERが高いと利益に比べて株価が割高、低ければ割安であるといわれます。

PER(株価収益率)(倍)=株価÷EPS

決算発表の内容が良く、今期の1株あたり純利益が増加する予想ならば、株価はEPS主導で上昇するでしょう。また、政治的な要因などで企業にとって好材料のニュースがあれば、株高の期待感から、PER主導で株価が上昇することもあります。

EPSとPERを含めた、株式相場を分析する指標に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

ファンダメンタル分析とは?分析手法を紹介!

IFAの用語解説「ノンバンク」

ノンバンクとは、銀行法で定められた銀行業を営む金融機関以外で、融資を行う金融会社を指します。

銀行とノンバンク以外にも貸付を行う金融機関はあります。例えば、信用金庫は信用金庫法、信用組合は中小企業等協同組合法・協同組合による金融事業に関する法律(協金法)、労働金庫は労働金庫法に基づき貸出をしています。

ここからはノンバンクと呼ばれる金融会社の代表的な例を挙げていきます。

■消費者向けノンバンクの代表的な例

  • 消費者金融
  • 信販会社
  • クレジットカード会社

■事業者向けノンバンクの代表的な例

  • 事業金融会社
  • 不動産関連金融会社
  • 一部のリース会社(法人融資を行っている場合など)

日本国内においては、銀行の融資には銀行法が適用されますが、ノンバンクの融資は根拠法令が異なります。ノンバンクでの融資は貸金業法が適用され、融資のスピードは銀行と比較して速いことが多く、金利は高めに設定されていることが多いです。

2023年3月に欧米で起きた銀行不安は記憶に新しいですが、このような状況は銀行の貸出姿勢を慎重にさせます。銀行から資金を調達できない場合、ノンバンクの資金需要が増え、結果的に金融市場の安定性を損ねる大きなリスクとなる可能性があります。

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このコラムの執筆者

MONEY HUB PLUS 編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
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