2022年5月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

2022年5月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

政治・経済

本記事は、三井住友DSアセットマネジメントが発行している「投資環境の見通し(2022年5月号)」レポートをもとに、日本とアメリカの経済動向をマネハブ編集部が抜粋しまとめたものです。

また、レポートの中から気になる用語をIFAが解説します!

アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し

経済動向

アメリカ

01.景気のイメージ

商品高と利上げの影響を考慮し、成長見通しを22年2.8%、23年1.9%と小幅下方修正。但し、雇用情勢が堅調なため米景気の大崩れは回避されよう。インフレは中古車価格の反落などもあり加速局面は一巡する可能性があるが、22年中は高止まり、ピークアウトは23年以降にずれ込む 可能性。

02.金融政策(今後1年程度)

正常化を急ぐFRB
FRBは22年3月のFOMCで0.25%の利上げを実施、5月には0.5%の追加利上げとバランスシート縮小開始を決定。先行きは、22年6、7、9月に0.5%ずつ、11、12月と23年3月に0.25%の金利引き上げを追加すると予想。中立をやや上回る水準までの利上げを見込む。

日本

01.景気のイメージ

変異ウイルスやインフレ、海外景気悪化の影響を考慮し、22年度は2.4%から2.1%に下方修正。23年度は景気対策に期待し1.3%へ0.2%ポイント上方修正。22年1-3月期はマイナス成長だろうが、その後、感染抑制、経済対策効果により回復へ。インフレ率は一時的に前年同月比+2%に近づくが先行きは同+1%後半での高止まりを予想。

02.金融政策(今後1年程度)

金融緩和の継続性を意識
日銀は原材料高による物価上昇は持続性が乏しいと判断し、黒田体制下では金融政策を据え置こう。23年4月の総裁交代後、イールドカーブコントロールの柔軟化(長期金利レンジの拡大:±0.25%→±0.50%など)などが検討される可能性。マイナス金利の解除は、現時点では、メインシナリオとはせず。

※太字は注目点を示す。FRB:米連邦準備制度理事会。FOMC:米連邦公開市場委員会。ECB:欧州中央銀行。MLF:中期貸出制度。 ※各種報道等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

IFAの用語解説「オーバーキル」

用語解説

オーバーキルとは、過度な金融の引き締め(政策金利や預金準備率の引き上げ等)を行った結果、景気後退をもたらしてしまうことです。
市場では、2021年の時点ですでに「FRBが2022年内に利上げを行う」というシナリオが織り込まれていました。
しかし、米国のインフレ率が想定以上に上昇し、早急に利上げのペースを上げることが必要となりました。

市場の想定を超えるペースで金利正常化(今回の場合は利上げ)が進んでしまうと、2021年時点で想定していたシナリオが崩れてしまいます。
その結果、投資家は高金利状態で株式投資を行うインセンティブがなくなり、株価下落と景気後退につながってしまう…ということになります。

IFAの用語解説「テクニカル・リセッション」

テクニカル・リセッションとは、2・四半期連続での前期比マイナス成長になることです。一般的に、景気後退(リセッション)のシグナルとされます。

成長を継続している国では2・四半期連続でマイナス成長になることは珍しいため、市場ではテクニカル・リセッションが重要なシグナルとして注目されています。

参考:2000年以降のテクニカル・リセッション回数(当社調べ・GDP順)
アメリカ:2回
中国:0回
日本:6回
ドイツ:7回
イギリス:2回
フランス:2回

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このコラムの執筆者

MONEY HUB PLUS 編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
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