2023年6月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

2023年6月の日本・アメリカ金融情勢まとめ

政治・経済

本記事は、三井住友DSアセットマネジメントが発行している「投資環境の見通し(2023年6月号)」レポートをもとに、日本とアメリカの経済動向をマネハブ編集部が抜粋しまとめたものです。

また、レポートの中から気になる用語をIFAが解説します!

アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し

アメリカと日本の経済動向と金融政策の見通し

アメリカ

01.景気のイメージ

雇用・消費が想定より底堅く、経済の軌道をやや上方修正。23年の成長率予想は1.8%で変わらないが、24年は0.9%から1.0%に修正。FRBは粘着的なインフレを警戒しつつ、銀行不安の影響も考慮する姿勢。利上げ停止がメインシナリオだがデータ次第で小幅追加の可能性あり。

02.金融政策(今後1年程度)

インフレと銀行問題のバランスを意識した政策運営
FRBはインフレ上振れと銀行問題のバランスを考慮、5月のFOMCでも利上げを0.25%にとどめた。雇用情勢が強いため、6月に0.25%の利上げを追加後、インフレのピークアウトを確認しつつ、様子見に転ずるとの予想に修正する。追加利上げの余地は残るが、大局的には利上げは最終局面との見方は維持。

日本

01.景気のイメージ

23年度1.1%、24年度0.9%の成長率予想を維持。今後米国等の減速の影響はあるが、内需・インバウンド消費が下支えしよう。インフレは輸入物価の鈍化等から消費者物価の前年比は減速基調を転じよう。但し、賃上げ率の上振れ等から、コアCPIの前年比+2%割れが定着するのは24年半ば以降になる見込み。

02.金融政策(今後1年程度)

緩和的姿勢を維持
植田新体制となった4月会合で日銀は現状維持を決定。フォーワードガイダンスは削除したが展望レポートで慎重な成長・インフレ見通しを提示、長期レビューの実施を決定。7月に10年債金利の変動幅拡大(±1.0%)を実施するものの、大枠ではインフレ目標達成のため緩和的政策を維持するとの判断を維持。
※太字は注目点を示す。FRB:米連邦準備制度理事会。FOMC:米連邦公開市場委員会。 ※各種報道等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成。 ※掲載内容は2023年6月5日時点のものです。

IFAの用語解説「ボラタイル」

IFAの用語解説

ボラタイル(volatile)という単語を和訳すると「移り気な、不安定な」という意味です。金融用語では、ボラティリティが高まっている状況を指し、今後の相場展開において大きな値動きが予想されていることを指します。

ボラティリティは、その商品のリスクの度合いを測る指標になります。ボラティリティが大きい商品はリスクが高く、ボラティリティが小さい商品はリスクが低いと判断されます。

ボラティリティの高さを利用して短期間での収益獲得を狙う投資方法もあります。逆に長期間投資をする際は、ボラティリティを小さくするためのポートフォリオを考えることもあります。

IFAの用語解説「長期レビューの実施」

レビューとは、ある一定期間実施されてきた金融政策が他分野に及ぼした影響について再調査するということです。将来の政策運営の参考にする目的で行われます。

2023年4月27日から2日間の日程で、日銀の金融政策決定会合が開催されました。同会合では、デフレが始まった1990年代後半以降の金融政策運営について、1年から1年半程度の時間をかけてレビューを行うことが決定しました。

政策目標としていた基調的なインフレ率が持続的・安定的に2%に到達した際に、その次の段階としてどういった政策を取るべきか検討するためでもあります。

なお、4月28日の植田総裁の定例会見では、レビュー実施中の政策変更は行わないのかという記者の質問に対して、「毎回の(金融)政策決定会合で議論して必要があれば実行していくというスタンス」と発言していました。

参照:総裁定例会見(4月28日)

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このコラムの執筆者

MONEY HUB PLUS 編集部

株式会社Fan

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