この記事のポイント
- 個人事業主が資産運用をする上で重視するポイントは、「節税効果」と「換金性(引き出しやすさ)」のバランス。
- 失敗パターンの典型例は、「事業資金に手を付ける」「流行りの銘柄やハイリスクな銘柄をよく考えず買い付けてしまう」「節税額を気にするあまり出口戦略を考えない」こと。
- 経営者故の孤独な判断は、精神的な揺らぎの原因に。共に資産運用を考えるパートナーを見つけよう。
「会社員のような退職金がないのは、重々承知している」
「でも、日々の仕事が忙しくて、将来のことは後回し……」
個人事業主として働いていると、こうした不安がふと頭をよぎることはありませんか?国民年金だけでは、老後の生活を支えるには心もとないのが現実です。
しかし、個人事業主には会社員とは異なる形で活用できる税制上の制度があります。これらを上手に利用することで、将来に向けた資産形成を進めやすくなります。
この記事では、忙しいあなたに代わり、将来の不安を軽減するための運用術を解説します。最後まで読むことで、あなたに合った「お金の守り方」の道筋が見えてくるはずです。
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INDEX
個人事業主に資産運用が必要な理由
個人事業主にとって、資産運用は単なる「余剰資金の活用」ではなく、将来のリスクに備えるための「重要な戦略」です。
なぜ、自営業者こそ早めに対策を講じるべきなのでしょうか。それには、避けては通れない3つの背景があります。
厚生年金がないことによる「年金受給額」の差
最大の理由は、将来受け取れる年金額の少なさです。会社員は「国民年金」と「厚生年金」の2階建てですが、個人事業主は原則として「国民年金」のみとなります。
厚生労働省のデータによれば、国民年金(老齢基礎年金)のみの平均受給額は約5.6万円です。対して、厚生年金に加入していた会社員などが受け取る平均額(基礎年金を含む総額)は約14.4万円となっており、月額で約9万円近い差が生じています。
出典:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
個人事業主は、この月々約9万円の「受給額の差」を、貯蓄や運用で自ら補わなければなりません。自らの手で「第2の年金」を作ることが、老後の備えには不可欠なのです。
働けなくなった時の「収入途絶」リスクへの備え
個人事業主には、会社員のような「傷病手当金」がありません。病気やケガで仕事ができなくなった瞬間、収入が途絶えるリスクを常に抱えています。
万が一の際、あなたや家族を守るのは、それまでに積み上げてきた資産です。単に蓄えるだけでなく、「お金にも働いてもらう仕組み」を作っておくこと。これが、事業を継続する上での精神的な支えにもつながります。
✅民間の保険を「盾」として組み合わせる
1. 「働けない」をカバーする就業不能保険
病気やケガで長期間仕事ができない状態になった際、本人に給付金が支払われるのが「就業不能保険」です。
- 役割: 生活費、病気やケガの治療費をカバー
- メリット:収入が一時的に途絶えても、投資を中断することなく継続できれば、複利効果を享受し続けることが可能に
- 資産運用において避けたいのは、暴落時の中途解約や生活苦による積立の中断
- 注意点: 死亡保障はなく、受け取りは本人となる
2. 「万が一」の後の家族を守る収入保障保険
名前から「働けない時の保険」と混同されやすいですが、「収入保障保険」は死亡保険の一種です。
- 役割: 被保険者が死亡または高度障害になった際、家族が毎月一定額を「年金」形式で受け取れる
- 特徴: 年月の経過とともに保障総額が減っていく「逓減(ていげん)型」のため、保険料が割安
- 健康割引の活用: 非喫煙者や健康診断の結果が良い場合、保険料が割引される商品が多い
3. 固定費(保険料)を抑えるための戦略
大きな保障をすべて「終身保険」でまかなおうとすると、保険料負担が重くなります。 「解約返戻金のない掛け捨て(定期型)」の保険を賢く活用しましょう。
4. 資産形成を加速させる「投資性の保険(変額保険など)」
死亡保障を備えつつ、支払った保険料の一部を株式や債券で運用し、将来の解約返戻金や満期金として受け取る保険です。
- 役割: 万が一の保障を確保しながら、「老後資金」や「廃業後の退職金」を積立投資と同じ感覚で準備
- メリット:運用の成果次第では、支払った保険料を大きく上回る解約返戻金が期待できる
- 生命保険料控除: 投資信託にはない「一般生命保険料控除」が適用される
- 積立ができなくなるリスクの回避:「三大疾病保険料払込免除特約」等の特約を付帯させれば、所定の状態になった際、以降の保険料を支払わずに運用を継続できる
- 注意点:
- 元本割れリスク
- 運用手数料(保険関係費用)がかかるため、投資信託に比べるとコストは割高になる傾向がある
事業所得を賢く守る「高い節税メリット」
資産運用と聞くと「お金が出ていくこと」ばかりに目が行きがちです。しかし、個人事業主向けの制度には、運用額がそのまま「経費」に近い性質になるものがあります。
例えば、iDeCo(イデコ)は掛金の全額が所得控除の対象です。これにより、税負担を抑えながら将来の資金づくりを進めることができます。こうした制度は、税負担が大きくなりやすい個人事業主にとって有効に活用できる場合があります。
投資関連費用は「経費」になるのか?
一般の投資にかかるセミナー代や書籍代などは、原則として事業所得の経費になりません。投資利益は事業とは別の「分離課税」で計算するため、差し引けるのは株の取得費や売買手数料のみです。
デイトレードを本業とするような極めて例外的なケースを除き、資産形成にかかる費用を事業経費に含めることはできない点に注意しましょう。
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【初心者向け】個人事業主が検討すべき運用の優先順位
何から始めればよいか迷う場合には、参考の一例として、次のような順番で検討されるケースがあります。ポイントは、「節税効果」と「換金性(引き出しやすさ)」のバランスです。
【優先度:高】所得控除で節税できる「iDeCo(イデコ)」
まず検討したいのが、個人型確定拠出年金「iDeCo」です。大きなメリットは、掛金の全額が所得から差し引かれる点にあります。
- メリット:
- 所得税・住民税が軽減される
- 運用益が非課税
- 注意点: 原則として60歳まで資金を引き出すことができない
所得が多い年ほど節税効果が高まりやすいため、個人事業主にとって活用を検討する価値のある制度です。
参照:iDeCo公式サイト
✅国民年金基金・付加年金も賢く使おう
■国民年金基金: 国民年金に上乗せする公的な年金制度です。iDeCoと同様に全額所得控除となります。
- 特徴:
- 終身年金(生涯受け取れる)が基本
- 将来もらえる額が加入時に確定
- 比較: 自分で運用先を選ぶiDeCoに対し、国民年金基金は「約束された額を受け取る」安定重視の設計
- 注意点:
- iDeCoとの合算で月額6.8万円が上限
- 加入後の掛金停止は可能
- 中途解約は原則できない
■付加年金(付加保険料): 月額400円を上乗せして納めることで、将来の年金額を増やす制度です。
- 特徴:将来受け取る年金に「200円×納付月数」が毎年加算される
- 注意点: 国民年金基金と付加年金は同時に加入することはできず、どちらかを選択する必要がある
【優先度:中】自由度が高く非課税で運用できる「NISA」
2024年に大幅なリニューアルが行われた「NISA」は、iDeCoよりも柔軟性が高い制度です。「いつでも売却して現金化できる」という点が、個人事業主にとっての好材料となります。
- つみたて投資枠:
- 年間120万円まで
- 長期の積立に向いている
- 成長投資枠:
- 年間240万円まで
- 一括投資も可能
- メリット:運用益が一生涯非課税
事業などで急な出費が必要になった際、NISA口座の資産は柔軟に現金化できるため、資金確保の選択肢の一つになります。
✅NISAは「社会保険料」に影響を与えない
個人事業主にとって、NISAを活用する大きなメリットは「金融所得によって国民健康保険料が上がらない」点にあります。
通常、株式や投資信託の運用で得られた金融所得は課税対象となり、個人事業主がこれらを確定申告すると、その所得金額は国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料算定に反映されてしまいます。
つまり、運用で利益が出るほど翌年の保険料負担が重くなるリスクがあるのです。
しかし、NISAによる運用益は非課税所得として扱われるため、いくら利益が出ても所得にはカウントされません。その結果、投資収益をそのまま手元に残しつつ、社会保険料の負担増も回避できるのです。
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【優先度:中】退職金代わりの「小規模企業共済」
個人事業主の「退職金」を作るための共済制度です。iDeCoと同様に掛金が全額所得控除になります。
- 特徴:
- 廃業時や退職時に受け取れる
- 満期はなく、共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能
- 一括受取の場合は退職所得扱い、分割受取の場合は、公的年金等の雑所得扱い→税制メリットもある
- メリット:掛金の範囲内で低利の貸付制度も利用可能
投資信託などの価格変動に不安を感じる方でも、計画的に積み立てを行える制度です。
個人事業主が資産運用で陥りやすい「3つの失敗パターン」
良かれと思って始めた運用が、かえって首を絞めることもあります。よくある失敗パターンを知り、回避策を考えておきましょう。
1. 事業資金まで投資に回し、キャッシュフローが回らなくなる
最も注意すべきは、手元資金を減らしすぎることです。 個人事業主の収入は、景気や自身の体調に左右されやすいものです。
「今は調子が良いから」と手元資金をすべて投資に回してしまうと、取引先からの入金(売上の回収)が遅れた際に、外注費や家賃、税金といった「事業上の支払い」が滞る恐れがあります。
生活費と事業経費の数ヶ月〜1年分は、現預貯金で持っておくことが大切です。
2. 流行りの銘柄やハイリスクな投資に手を出してしまう
SNSなどで目にする「短期間で資産10倍」といった魅力的な言葉。忙しくて情報収集ができない時ほど、こうした極端な情報に惹かれがちです。
しかし、本業に集中すべき個人事業主にとって、値動きが激しすぎる投資は毒になります。画面に張り付いて仕事が手につかなくなっては本末転倒です。「コツコツ、長く」が、自営業者の運用には適しています。
3. 節税額ばかりを気にして、出口戦略を考えない
「節税になるから」と上限いっぱいまでiDeCoに加入するケースも多いです。しかし、iDeCoは受け取る際、一時金なら「退職所得」、年金なら「公的年金等」として課税対象となります。
受け取り時の年齢や他の所得との兼ね合いで、予想以上の税金がかかる可能性もあります。入口(節税)だけでなく、出口(受取)まで見据えたシミュレーションが欠かせません。
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資産運用を「自分一人」で判断するリスクと限界
ネットで検索すれば、運用に関する知識はいくらでも出てきます。 しかし、それらを自分に当てはめる段階で、多くの方が立ち止まってしまいます。
経営者ゆえの「孤独な決断」という壁
個人事業主は、常に一人で決断を下さなければなりません。運用においても、「今の所得でこの積立額は適切か?」「来年の納税額を考えるとどうすべきか?」といった問いに、誰も答えてはくれません。
会社員向けの「一般的な正解」はあっても、「あなたの事業状況に合わせた正解」を見つけるのは非常に困難です。
暴落時の「精神的な揺らぎ」
市場が大きく下がったとき、個人事業主の不安は会社員よりも大きくなる傾向があります。「事業の先行き不安」と「資産の減少」が重なると、冷静な判断が難しくなるためです。
このとき、客観的な視点を持つパートナーがいないと、最悪のタイミングで運用を止めてしまうリスクが高まります。
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このコラムの執筆者
道谷 昌弘
株式会社Fan IFA
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AFP(日本FP協会認定) 大学卒業後、大手証券会社に入社。国内営業部門にて法人・個人の資産運用アドバイスを行う。8年間勤めたのち退社し、より中立的なアドバイスができるIFA(独立系投資アドバイザー)に転身。現在は富山を拠点に、全国各地のお客様に幅広くコンサルティングを行いながら、お客様にとって本当に良い商品提案を日々追求している。