会社売却・M&A後の資産運用|失敗しないための基礎知識や相談先について解説

会社売却・M&A後の資産運用|失敗しないための基礎知識や相談先について解説

資産運用

この記事のポイント

  • 資産運用は、インフレによる資産価値の目減りを防ぎ、ゆとりあるキャッシュフローの確保、円滑な資産承継のために必要
  • 運用開始前には、売却益にかかる税金を把握し、ライフプランを具体化して運用のゴールを設定することが重要
  • 資産運用で失敗しないためには、資産の集中や手数料の軽視、焦った投資を避け、専門性・実績、手数料の透明性、人としての相性で信頼できる相談先を選ぶべき

家族同様、あるいはそれ以上に長年心血を注いでこられた事業に一区切りをつけられるご決断を相当な思いを持たれて実行されたこととお察しいたします。

大きな達成感とともに、これまでの人生で手にしたことのないような大きな資金を前に、

「この資産をどうすれば良いのだろう」

という新たな、そして重要な課題に直面されていることと存じます。

会社売却によって得た資金は、これからの人生を豊かにするための大切な原資です。しかし、何も対策をしなければ、インフレによって資産価値が実質的に目減りしてしまう可能性もあります。

本記事では、M&Aや会社売却という大きなライフイベントを経験された方が、その大切な資産を「守りながら賢く増やす」ための知識を網羅的に解説いたします。

さらに、資産運用の成否を分ける「相談先選び」に焦点を当て、それぞれの相談先が持つ特徴や、ご自身に合ったパートナー選びのポイントを詳しくご紹介します。

この記事が、あなたのこれからの人生をより豊かにするための一助となれば幸いです。

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会社売却・M&A後に資産運用を考えるべき3つの理由

「そもそも、なぜ資産運用が必要なのだろうか」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。会社売却で得た大きな資金を、ただ銀行に預けておくだけでは十分と言えないのでしょうか。ここでは、資産運用を積極的に検討すべき3つの理由を解説します。

理由1:インフレに備え、資産価値の目減りを防ぐ

インフレとは、物価が継続的に上昇し、相対的にお金の価値が下がることです。例えば、現在100万円で買えるものが、年2%のインフレが続くと10年後には約122万円出さないと買えなくなります。

つまり、現金100万円の価値は、10年間で実質的に目減りしてしまうと考えられます。大切な資産の価値を守るためには、インフレ率を上回るリターンを目指す資産運用が有効な選択肢となるでしょう。

理由2:健全なキャッシュフローで、ゆとりある暮らしを

資産運用は、資産の値上がり益(キャピタルゲイン)だけでなく、配当金や分配金といった定期的・継続的な収益(インカムゲイン)を生み出すことも可能です。

現役時代のように事業から収入を得ることがなくなった後も、資産からのインカムゲインが安定的に入ってくる仕組みを構築できれば、セカンドライフをより一層楽しむための経済的なゆとりにつながります。

理由3:次世代への資産承継(相続)を円滑に進める

将来的に資産をご家族へ引き継ぐことをお考えの場合も、資産運用は有効な手段となり得ます。

例えば、現金のまま相続するのではなく、生命保険や不動産といった形に資産を組み替えることで、相続税評価額に影響を与える可能性があります。

計画的な資産運用を通じて、円滑な資産承継の準備を進めることができるでしょう。

資産運用を始める前に!会社・事業売却後に押さえるべき3つのステップ

いざ資産運用を始めようと思っても、焦りは禁物です。特に会社売却で得た大きな資金を扱う場合、まずは冷静に、以下の3つのステップを踏むことから始めましょう。

ステップ1:会社売却益にかかる税金を把握し、運用元本を確定させる

株式譲渡による会社売却で得た利益(譲渡所得)には、所得税・復興特別所得税・住民税が課せられます。

株式等を譲渡したときの主な税率

所得税及び復興特別所得税 15.315%+住民税 5%=合計 20.315%

出典  No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)|国税庁

例えば、1億円の売却益が出た場合、約2,031万円が税金となります。この「税引き後の金額」が、実際に運用に回せる元本です。まずは税理士などの専門家にご相談の上、正確な納税額を把握することをお勧めします。

ステップ2:「いつまでに」「いくら必要か」ライフプランを具体化する

次に、ご自身のこれからの人生設計、つまりライフプランを具体的に描いてみましょう。

老後の生活費、趣味や旅行、ご家族への支援など、将来必要となる資金額を時系列で整理することで、運用の目的や期間が見えてきます。

ステップ3:ライフプランから運用の目的と目標利回りを設定する

ライフプランが明確になったら、資産運用の目的を決めます。「資産を大きく増やすこと」が目的なのか、それとも「資産をできるだけ減らさずに安定的な収入を得ること」が目的なのかで、取るべき戦略は全く異なります。

目的に合わせて現実的な目標利回りを設定することが、後述するポートフォリオを組む上での重要な指針となります。

【目的別】会社売却後の資産運用ポートフォリオ3つのモデルケース

資産運用において重要なのが「ポートフォリオ」という考え方です。

これは、値動きの異なる複数の資産を組み合わせ、リスクを分散しながら効率的にリターンを狙うための戦略です。ここでは、目的別のポートフォリオのモデルケースを3つご紹介します。

【安定性重視】資産を守ることを最優先するポートフォリオ

✅インフレ負けを防ぎつつ、元本を極力減らさない「守りの運用」です。

目標利回りは年率1〜3%が目安となります。値動きが比較的安定している国内外の債券の比率を高めることで、市場の変動による影響を抑えながら、預金以上のリターンを目指します。

【バランス重視】守りと攻めの両立を目指すポートフォリオ

✅資産を守りつつ、ある程度のリターンも追求する「ミドルリスク・ミドルリターン」の運用です。

目標利回りは年率3〜5%が目安です。債券で守りを固めつつ、国内外の株式などで成長を狙います。世界経済の成長の恩恵を受けられるよう、投資先をグローバルに分散させることがポイントです。

【収益性重視】リスクを取りつつ資産拡大を目指すポートフォリオ

✅ある程度のリスクを許容し、積極的に資産を増やすことを目指す「攻めの運用」です。

目標利回りは年率5%〜が目安となります。値動きの大きい株式などの比率を高めて大きなリターンを狙いますが、その分市場が下落した際の資産の減少幅も大きくなるため、リスク許容度を十分に考慮する必要があります。

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会社売却後の資産運用で検討したい金融商品の種類と特徴

ポートフォリオを組む上で、どのような金融商品があるのかを知っておくことは重要です。ここでは代表的なものをご紹介します。

  • 債券: 国や企業が発行するもので、比較的安全性が高いとされています。
  • 投資信託: 専門家が複数の株式や債券に分散投資してくれる商品です。
  • 株式: 企業の成長に応じて大きなリターンが期待できますが、価格変動リスクも伴います。
  • 不動産(REIT含む): 家賃収入などのインカムゲインが期待でき、インフレに強い傾向があります。
  • その他: 市場の上げ下げに関わらず、様々な金融商品を組み合わせて高い利益を目指す「ヘッジファンド」や、保障と資産形成を両立できる「生命保険」など、様々な選択肢があります。

これらの金融商品の特性を理解し、ご自身の目的に合わせて複数組み合わせることが、成功への鍵となります。

会社売却後の資産運用で陥りがちな失敗と、その回避策

会社売却で得た多額の資金を運用する際には、特有の注意点が存在します。思わぬ失敗を避けるために、典型的な失敗例とその回避策を知っておきましょう。

  • 失敗例1:一つの金融機関や商品に資産を集中させてしまう
    • 資産は複数の金融機関に、そして複数の金融商品に「分散」させることが鉄則です。
  • 失敗例2:手数料を軽視し、気づかぬうちに資産を減らしてしまう
    • リターンだけでなく、購入時手数料や信託報酬といったトータルコストで判断する習慣をつけましょう。
  • 失敗例3:金融機関の「おすすめ」を鵜呑みにしてしまう
    • 後述する相談先の立場やビジネスモデルの違いを理解し、提案の背景を考慮することが重要です。
  • 失敗例4:焦って一度に全額を投資しようとしてしまう
    • 購入するタイミングを複数回に分ける「時間分散」などを活用し、高値掴みのリスクを避けましょう。

会社売却後の資産運用、相談先ごとの特徴と選び方のポイント

資産運用で失敗しないためには、信頼できるパートナー選びが重要な要素の一つになります。大切な資産の相談は、誰にすべきなのでしょうか。ここでは、主な相談先の特徴を比較し、ご自身に合ったパートナー選びのポイントを解説します。

はじめに:相談先の「ビジネスモデル」の違いを知る

資産運用の相談先を選ぶ上で、まず理解しておきたいのが、それぞれの「ビジネスモデル(収益構造)」の違いです。

どちらが良い・悪いということではなく、その立場や構造の違いが、提案内容の傾向に影響を与える可能性があることを知っておくことが大切です。

1. 銀行・証券会社の特徴と付き合い方

銀行や証券会社は、最も身近な相談先です。豊富な情報量を持ち、口座開設から商品の売買までワンストップで完結できる利便性の高さが魅力です。

銀行・証券会社が取り扱う商品は、その銀行・証券会社の系列運用会社のものが中心となる傾向があり、選択肢が限られる場合があることも理解しておきましょう。

2. IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の特徴と付き合い方

IFA(Independent Financial Advisor)は、特定の金融機関に所属しない、独立・中立な立場の資産運用アドバイザーです。

IFAは、富裕層の方々だけでなく、様々な業種や家庭状況をお持ちのお客様の資産運用をサポートしています。

潤沢な資金をお持ちの方から、これから資産形成を本格的に始めたい方まで、一人ひとりのご状況に合わせたきめ細やかなアドバイスを提供することが可能です。

そのため、もし「自分の資産規模では相談しにくいのではないか」といったご心配があっても、気兼ねなくご相談いただけるのがIFAの大きなメリットです。

これまで培ってきた豊富な経験と多様な視点から、お客様のライフプランや目標に寄り添った運用戦略を共に考え、実行をサポートいたします。

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3. プライベートバンキングの特徴と付き合い方

プライベートバンキング(Private Banking)とは、主に数億円以上の金融資産を保有する富裕層を対象に、資産運用から相続・事業承継まで包括的なサービスを提供します。

担当するプライベートバンカー(Private Banker)は、顧客の資産状況や人生設計に応じて、長期的にサポートを行います。以下、提供しているサービスの例を挙げます。

  • 資産管理・保全
  • 資産運用
  • 資産承継・事業承継
  • フィランソロピー(社会貢献)

プライベートバンキングを利用することで、一般的な銀行では取り扱いがない金融商品やサービスの提供を受けることができます。資産に関するあらゆる相談ができる「金庫番」のような存在として、柔軟に対応してくれます。

一般に預かり資産が3億~5億円以上とハードルが高いのが特徴で、手数料も比較的高額なケースが多いです。手数料の金額と運用によるリターンを比較し、コストに見合ったメリットがあるかを慎重に検討することが大切です。

プライベートバンキングのサービスを最大限に活用するには、担当者と密に連携し、能動的に課題や目標を共有することをお勧めします。

ご自身に合ったパートナーを見つけるための3つの視点

最終的にどの相談先を選ぶにせよ、良いパートナーシップを築くためには、以下の3つの視点を持つことをお勧めします。

  1. 専門性と実績: ご自身の状況(例:会社売却後の資産運用)に関する相談実績が豊富か、専門知識は十分かを確認しましょう。
  2. 手数料体系の透明性: どのようなサービスに、いくらの手数料がかかるのか、明確で分かりやすい説明を受けられるかどうかが重要です。
  3. 人としての相性: 資産運用は長期にわたる付き合いになります。ご自身の価値観を理解し、些細なことでも気兼ねなく相談できると感じられる相手かどうか、じっくり見極めましょう。

まとめ:信頼できるパートナーと共に、会社売却後の豊かな人生プランを描こう

M&Aや事業売却によって得た資産は、これまでの努力の結晶であり、あなたの未来を創るための重要な基盤です。

その価値を守り、育てていくためには、一人で抱え込まず、資産運用アドバイスの専門家と相談しながら長期的な視点で戦略を立てることが有効なアプローチとなります。

ご紹介した通り、資産運用の相談先には銀行、証券会社、IFAなど、それぞれ異なる特徴を持つ専門家がいます。

どの選択が良いかは、お一人おひとりの考え方や状況によって異なります。大切なのは、それぞれの特徴をよく理解した上で、ご自身が最も信頼できると感じ、長期的な関係を築いていきたいと思えるパートナーを見つけることです。

弊社が運営する「投資信託相談プラザ」なら、ご相談料無料でIFAの資産運用アドバイスが受けられます。全国17拠点(2025年8月時点)に構える店舗で対面でのご相談ができる他、オンラインでのご相談も受け付けております。

IFAとして中立的な立場で資産運用のサポートを行うだけでなく、お客様のゴール(人生の目的)に寄り添った包括的なご支援が可能です。ぜひお気軽にご利用ください。

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このコラムの執筆者

木村 晴彦

株式会社Fan IFA

大手証券会社にて個人富裕層、中小企業経営者等を中心に数多くの資産コンサルティングを経験、社内表彰多数。大手金融機関で実現できることに限界を感じ、お客様と長期に渡るお付き合いが可能なIFAに共感し転職を決意。現在はIFAとして、資産運用を始め、相続や事業承継・保険・終活など様々なご提案やセミナーも行いながら、幅広い顧客の支持を受け活動中。プライマリー・プライベートバンカー(日本証券アナリスト協会認定)/AFP(日本FP協会認定)/終活カウンセラー(終活カウンセラー協会認定)/2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

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