この記事のポイント
- NPO法人が資産運用を行うことは法的に可能。資産運用はインフレから団体の財産を守り、将来の活動基盤を強固にするための有効な手段。
- NPO法人の資産運用においては「①明確な目的設定」「②組織的な管理体制(ガバナンス)」「③リスクの正しい理解」が不可欠。
- 具体的には「債券」と「投資信託」を組み合わせる方法や、団体の理念やミッションと親和性の高い「ESG投資」を行うファンドを取り入れることが有効。
NPO法人は、その「非営利性」から資産運用にためらいを感じるかもしれません。しかし、結論から言えば、NPO法人も資産運用を行うことは可能です。
大切な寄付金や事業収益を、ただ預金口座に眠らせておくだけでは、物価上昇(インフレ)によってその価値が実質的に目減りしてしまうリスクさえあります。
この記事では、NPO法人の資産運用に関する法的な基本、リスクを抑えた具体的な運用方法、そして組織として取り組むべき注意点について、金融の専門家(IFA)の視点からわかりやすく解説します。
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INDEX
NPO法人も資産運用できる?「非営利」と「運用」の基本
まず、NPO法人が資産運用を行うことの可否と、その必要性について解説します。
資産運用は「可能」。法的根拠と注意点
NPO法(特定非営利活動促進法)には、資産運用そのものを禁止する規定はありません。
NPO法人は「非営利」組織ですが、これは「利益を出してはいけない」という意味ではなく、「得た利益を役員や会員に分配してはいけない」という意味です。団体の活動を継続・発展させるために、保有する資産を適切に管理・運用することは認められています。
ただし、資産運用を「収益事業」として本格的に行う場合は、定款への記載や税務上の取り扱い(法人税の課税対象となる可能性)について、事前に専門家へ確認することが不可欠です。
参照:特定非営利活動促進法 | e-Gov 法令検索 経理・会計 | 内閣府NPOホームページ
なぜNPO法人に資産運用が必要か?
資産運用が必要な最大の理由は、インフレリスクへの備えです。
例えば、100万円を普通預金に預けていても、年2%のインフレ(物価上昇)が起これば、1年後にはその100万円で買えるモノの価値は実質的に約98万円分に減ってしまいます。
NPO法人が将来にわたって安定的に活動を続けるためには、保有する余裕資金の価値をインフレから守り、将来の事業資金を確保する手段として、資産運用の視点を持つことが重要です。
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NPO法人が資産運用を始める前に確認すべき3つのステップ
資産運用を思いつきで始めるのではなく、組織内での明確なルール作りと合意形成が不可欠です。
ステップ1:資産運用の「目的」「目標」「許容リスク」を明確にする
まず、「なぜ運用するのか」を明確に言語化します。目的が曖昧なままでは、適切な運用方法を選べません。
- 目的の例
- 将来の新規事業立ち上げ資金
- 事務所の移転・改修費用
- インフレによる資産価値の目減り防止
- 目標と許容リスク
- 「いつまでに(期間)」「いくら(金額)」を目指すのか
- 一時的にどの程度の損失までなら受け入れられるか(許容リスク)
NPO法人の運用は、大きな利益を狙うことよりも「減らさないこと」「資産の保全」が優先されます。
ステップ2:組織内のガバナンス(管理体制)を整備する
資産運用は担当者任せにせず、必ず組織として管理する体制を構築してください。
- 運用規程の策定
- 上記ステップ1で決めた目的や許容リスクを「資産運用規程」などの形で明文化
- どのような金融商品に投資するか(あるいは、しないか)の方針も定める
- 承認プロセスの明確化
- 運用方針の決定、金融機関の選定、具体的な商品の売買などについて、誰が起案し、誰(理事会など)が承認・監督するのかを明確にする
- 定期的な報告
- 運用状況や損益について、理事会や総会へ定期的に報告するルールを定める
ステップ3:会計・税務上の取り扱いを確認する
資産運用によって利益(または損失)が出た場合、NPO法人会計基準に沿った適切な会計処理が必要です。
また、前述の通り、運用の実態が「収益事業」とみなされる場合は税務申告が必要になるケースもあります。会計処理や税務判断は複雑なため、必ず顧問税理士やNPOの会計に詳しい専門家にご相談ください。
NPO法人の資産運用:リスクを抑えた具体的な方法
NPO法人の資産運用においてでは、比較的リスクを抑えた運用方針を取り入れることをおすすめしています。ここからは、具体的な選択肢を紹介します。
1. 株式投資と比べ安定的な運用が期待できる金融商品の例
- 預金(定期預金など)
- 主な目的は手元資金の管理など
- 現在の低金利環境ではインフレ対策としては不十分な場合がある
- 債券(国債・地方債・優良企業の社債)
- 国や企業などがお金を借りるために発行する証券
- あらかじめ決められた利子収入がある
- 満期まで保有すれば額面100%で償還となる
- 株式投資と比較すると、安定した運用が期待できる
- 投資信託
- 多くの投資家から集めた資金を、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散して投資する金融商品
2. NPO法人に適した「債券+投資信託」の組み合わせ
NPO法人の資産運用において重要なのは、「守り」と「インフレ対策」のバランスです。そこでおすすめしたいのが、「債券」と「投資信託」を組み合わせる考え方です。
- 債券の役割(守り)
- 国債や優良企業の社債など、信用力の高い債券は、資産の「守り」の役割を果たす
- 満期まで保有すれば額面100%で償還となるため、株式投資と比較すると安定的な運用が期待でき、運用の土台となる
- 投資信託の役割(インフレ対策・分散)
- 債券だけでは、大きなインフレに対応できない可能性がある
- そこで、運用の専門家が運用し、少額から多様な資産に分散投資できる投資信託を組み合わせる
- これにより、インフレによる価値の目減りを防ぎつつ、資産全体の成長を目指す
運用に煩雑さがなく、限られたNPO法人の役員やスタッフでも管理がしやすい点がおすすめです。
「債券」と「投資信託」、この2つをバランス良く組み合わせることで、リスクを抑えた運用を始めやすくなります。
3. NPOらしさを活かす「ESG投資」という選択肢
組み合わせる投資信託を選ぶ際には、団体の理念やミッションと親和性の高い「ESG投資」を行うファンドを検討することも有効です。
- ESG投資とは?
- Environment(環境)
- Social(社会)
- Governance(企業統治) に配慮している企業を選んで投資する手法です。
社会貢献をミッションとするNPO法人が、その資産運用においても社会的な意義を追求することは、組織の透明性や信頼性を高める上でも良い選択肢となり得ます。
▶IFAの実例紹介
私が担当しているお客様の中には、積極的に米ドル建て債券を取り入れて運用しているNPO法人もあります。日本国内の低金利環境下でより高い利回りを追求する目的や、資産の国際的な分散を図るためです。
また、米ドルで寄付を受け入れているNPO法人もあります。海外で活動を行うNPOにとっては、米ドルで寄付を受け取ることで、現地のスタッフの給与支払いや資材の調達といった支援活動費に両替なしで直接充当でき、コストと手間を削減できます。
米ドル建ての外債を持つことに加え、世界の基軸通貨である米ドル建の預金も増やすことで、日本円だけに依存しない「通貨の分散」が図れます。
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NPO法人が資産運用で注意すべきリスクと対策
資産運用に「絶対」はありません。大切な団体の資金を守るために、リスクを正しく理解し、対策を講じることが重要です。
1. 元本割れのリスク
投資信託は、組み入れ資産の時価に応じて価格が変動します。債券も、満期前に売却する際は市場価格が変動しているため、元本割れのリスクがあります。
購入時よりも価格が下がり、売却時に投資した金額を下回る(元本割れ)可能性があります。
元本割れリスクを抑える基本:「長期・積立・分散」
「元本割れのリスク」をゼロにはできませんが、その影響を小さく抑えるための基本的な考え方が「長期・積立・分散」です。
- 長期
- 短期的な価格の上下に一喜一憂せず、長く持ち続けることで着実な収益の積み上げを目指す
- 積立
- 一度に全額を投資するのではなく、時期を分けて少しずつ(例:毎月一定額)投資することで、価格変動の影響を平準化する
- 分散
- 一つの金融商品に集中せず、値動きの異なる複数の資産(例:国内債券と先進国株式)や地域に分けて投資する
特に投資信託は、この「長期・積立・分散」を実践しやすく、債券と組み合わせる運用において中核的な役割を担います。
2. 流動性のリスク
金融商品によっては、「必要な時にすぐに現金化できない」場合があります。
団体の活動費や人件費など、近い将来に使う予定が決まっている資金は運用に回さず、必ず「余裕資金」の範囲内で行ってください。
NPO法人の資産運用、誰に相談すべき?
「理屈は分かったが、具体的にどう動けばいいか分からない」というのが、多くの方の本音ではないでしょうか。専門知識が求められる資産運用は、信頼できる相談先を見つけることが成功の鍵です。
NPO法人の相談先選びの3つのポイント
- NPO法人の特殊性を理解しているか? (非営利性、会計基準、ガバナンス、社会的ミッションなど)
- 団体の理念やミッションに寄り添った提案か?
- 中立的な立場でアドバイスをくれるか?
相談先には、銀行や証券会社、NPOの事情に詳しい税理士や公認会計士などが考えられます。大切なのは、団体の長期的な目線に立った提案をしてくれるパートナーを選ぶことです。
加えて、特定の金融機関に所属せず、中立的な立場から幅広い金融商品を比較検討し、アドバイスを行う「IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)」も有力な選択肢となります。
IFAは、上記3つのポイント、特に「中立性」において強みを持つ相談先の一つです。
まとめ:NPO法人の資産運用は「明確な目的」と「信頼できる専門家」が鍵
NPO法人が資産運用を行うことは法的に可能であり、インフレから団体の財産を守り、将来の活動基盤を強固にするために有効な手段です。
ただし、その実施には「①明確な目的設定」「②組織的な管理体制(ガバナンス)」「③リスクの正しい理解」が不可欠です。
NPO法人の資産運用について、「まず何から整理したら良いか分からない」「自分たちの団体に合ったリスクの抑え方を知りたい」とお悩みの場合、まずは中立的な立場でアドバイスできる専門家への相談をご検討ください。
私たち「投資信託相談プラザ」は、特定の金融機関に属さない中立的な立場の金融の専門家(IFA)が、NPO法人様の資産運用に関するお悩みに対応いたします。
団体の理念やご状況、資産運用の目的を丁寧にヒアリングし、ガバナンス体制の整備から、リスクを抑えた具体的な運用方法まで、わかりやすくサポートします。まずは無料相談で、お気軽にお悩みをお聞かせください。
「法人の資産運用について相談したい!」そんな方へ

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このコラムの執筆者
木村 晴彦
株式会社Fan IFA
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大手証券会社にて個人富裕層、中小企業経営者等を中心に数多くの資産コンサルティングを経験、社内表彰多数。大手金融機関で実現できることに限界を感じ、お客様と長期に渡るお付き合いが可能なIFAに共感し転職を決意。現在はIFAとして、資産運用を始め、相続や事業承継・保険・終活など様々なご提案やセミナーも行いながら、幅広い顧客の支持を受け活動中。プライマリー・プライベートバンカー(日本証券アナリスト協会認定)/AFP(日本FP協会認定)/終活カウンセラー(終活カウンセラー協会認定)/2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)