投資信託には大きく分けて2種類あります。1つが「インデックス投資信託」、もう1つが「アクティブ投資信託」です。投資するとして、どちらの投資信託がおすすめなのでしょうか?
当コラムでは2つの投資信託のうち、どちらが良いのかを考えていきたいと思います。
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「投資信託はインデックス型がおすすめ」が世間の常識に…
「投資信託はインデックス型とアクティブ型のどちらがおすすめか」というテーマは以前より議論されてきました。おおむね結論は出ているようで、「投資信託はインデックス型がおすすめ」というのが世間一般の常識になりつつあります。
なぜ投資信託はインデックス型なのか? これは投資のポートフォリオ理論からきています。その理論では、理想的なポートフォリオは「世界のあらゆる資産を全部買うこと」になります。
ですがそのようなことは現実問題不可能です。そこで、その理想のポートフォリオに近づけてくれるインデックス型の投資信託が評価されるのです。
例えば世界中の株式を買いたい場合、「世界株式インデックス」という投資信託で代用できます。
少額からでも投資できることが投資信託のメリットであり、上記の投資信託は1本で世界中の株式を(間接的にですが)保有することが可能になっているのです。
実績はどうなのか? 過去10年のパフォーマンスを検証してみた!
「投資信託はアクティブ型ではなくインデックス型がおすすめ」というのが世間の一般常識になりつつあることは先の項でお伝えした通りです。
それではアクティブ型の投資信託は全部が全部ダメなのでしょうか?理論的にはインデックス型が良いかもしれませんが、理論通りにいかないのが金融の世界であるのも事実です。
そこで実際の運用成績からアクティブ型とインデックス型を見てみたいと思います。今回は楽天証券で取扱いのある投資信託で検証してみます。
なぜ楽天証券なのかというと、日本で一番多くの投資信託を取り扱っているのが同社だからです。現在の取扱数は2,700本近くになります。
それでは実績を確認してみましょう。実績を見る場合は1年で見るのか、はたまた3年、5年、10年で見るのかによって結果は異なります。1年のように短い期間だと、たまたま上手くいったということも考えられます。
そこで今回は10年という長期間における実績で検証してみます。
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
※リターンのトップ10 2020年10月13日時点
上の図が過去10年間のリターンが良い投資信託を上から並べたものです。投資信託の名前からだけではわかりませんが、なんと上位10本は全てアクティブ型の投資信託で占められています。
10年間という長期になりますので、まぐれで上位に食い込んだというわけではないでしょう。ちなみにインデックス型はトップ10どころか、トップ50で見ても圏外となっています。
銘柄選びで迷ったらインデックス型、リターンを狙うならアクティブ型がおすすめ!
「投資信託はインデックス型がおすすめ」という世間一般の常識にもかかわらず、意外にも成績上位はアクティブ型で占められていることを確認しました。
平均以上の高いパフォーマンスを目指すことがアクティブ型の一つの特徴ですので、運用が上手な投資信託があっても不思議ではありません。逆に平均を大きく下回ることがあるのもアクティブ型になります。リターンの当たり外れが大きいと言えるかもしれません。
対するインデックス型は市場平均のパフォーマンスに連動するように作られます。
ここから導けることは、
- 市場平均のパフォーマンスで充分だという人は迷わずインデックス型
- 大きく負けるというリスクを背負ってでも果敢に高いパフォーマンスを狙いたい人はアクティブ型
を選ぶべきということです。どちらかを選ぶのに正解はなく、個々の投資家が判断すべきことです。
銘柄選びに悩むようだったらインデックス型を選ぶのが無難でしょう。市場平均と同じパフォーマンスと言えど、それが意外と侮れないのも事実だからです。
低コストで運用ができることもインデックス型の大きな特徴です。「結果的にコストの差でアクティブ型は負ける」と言われることもありますが、その一面は否定できないでしょう。
ただし、繰り返しになりますが、コストを加味しても驚異的なパフォーマンスを出しているアクティブ型があるのも事実です。選択する投資信託の全部とは言いませんが、アクティブ型を1本ポートフォリオに組み入れても良いのではないでしょうか?
また最近ではアクティブ型の要素を取り入れた「テーマ型のインデックス投資信託」も登場しています。コストを抑えつつ特定のテーマ(ジャンル)に絞った運用ができますので、興味ある人はチェックしてみてください。
個々の投資家の運用目的に合った銘柄選びを心掛けよう!
繰り返しになりますが、投資信託を選ぶ絶対的な基準はありません。
インデックス型・アクティブ型それぞれに一長一短があるので、自分自身の運用の目的を振り返り、目的に合致しているものを選びましょう。
当社では個別の相談を随時承っています!
SBI証券や楽天証券のようなネット専業証券では相談窓口がありません。その相談窓口のような役割を当社が担っていますので、既にSBI証券や楽天証券で取引をしている、あるいは今後2社で取引を始めようとしている人など、お気軽にご利用してもらえればと思います。
このコラムの執筆者
小須田 徹
株式会社Fan IFA
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プライマリー・プライベートバンカー(日本証券アナリスト協会認定) 関西学院大学卒。政府系金融機関勤務を経てIFAに転身。東京丸の内店に在籍。日本人の金融リテラシー向上に寄与すべく活動中。投資初心者の若い世代から退職世代の方まで、幅広い年齢層のお客様の金融コンサルティングを行う。