iDeCoは途中で解約できる?脱退可能な条件や手続き方法を解説
資産運用

iDeCoは途中で解約できる?脱退可能な条件や手続き方法を解説

2022.11.11

iDeCo(個人型確定拠出年金)は原則として、途中解約が認められません。ただし、条件を満たす場合は脱退と一時金の受給が可能です。加入期間中にiDeCoを解約するための条件や、転職時の企業型DC(企業型確定拠出年金)の手続き方法などを解説します。

iDeCoの途中解約は原則として不可

iDeCoの途中解約は原則として不可

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、老後の生活資金を自分で確保するための「私的年金制度」です。

以前の加入可能年齢は60歳まででしたが、2022年の法改正により、65歳まで加入できることとなりました。なお、企業型DC(企業型確定拠出年金)の場合は70歳まで加入できます。

iDeCoは老後資金の準備を目的とした仕組みのため、加入期間中の途中解約は原則として認められません。ただし、例外に当てはまる場合は途中で解約できる可能性があります。途中解約の仕組みを詳しく見ていきましょう。

参照元:iDeCo公式サイト「有識者によるiDeCoのコラム#9」

例外のケースでは途中解約が認められる

iDeCoの加入が開始すると、受取可能年齢を迎えるまでは掛金を拠出し続けなければいけません。どうしても掛金の拠出をストップしたい場合は、所定の条件を満たす必要があります

例外のケースに該当すれば、途中解約と一時金(または給付金)の受給が可能です。ここでは、途中解約が認められる条件について解説します。

  • 脱退一時金を受給できる条件
  • 死亡一時金・障害給付金を受給できる条件

【脱退一時金を受給できる条件】

iDeCoに加入している人が以下のすべての条件を満たす場合は、加入期間中の解約が可能です。また、払い戻しとして脱退一時金を受け取れます。

  1. 60歳未満であること
  2. 企業型年金加入者でないこと
  3. 国民年金保険料免除者、外国籍の海外居住者等個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できない者であること
  4. 日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
  5. 通算拠出期間が5年以下、又は個人別管理資産が25万円以下であること
  6. 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
  7. 最後に企業型確定拠出年金又は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内であること

引用:iDeCo公式サイト「加入者の方へ」

(5)の通算拠出期間とは、掛金を払い込んだ期間を合算したものです。個人別管理資産とは、個人ごとに管理される年金積立金を指します。

iDeCoの加入を途中でやめたい場合は、上記の条件をすべて満たしているかどうかを確認しましょう。

参照元:iDeCo公式サイト「用語集」

【死亡一時金・障害給付金を受給できる条件】

死亡一時金が支給されるのは、iDeCoの加入者・運用指図者または自動移換者が死亡し、遺族が運営管理機関に請求した場合です。死亡日から5年が経過すると相続財産として扱われるため、早めに手続きする必要があります。

障害給付金を受給できるのは、加入者等が75歳を迎える前に一定以上の障害状態になり、傷病が続いた状態で1年6ヶ月が経過した場合です。一定以上の障害状態が認められるのは、以下のいずれかを保持している人です。

  • 障害基礎年金の年金証書等
  • 1〜3級の身体障害者手帳
  • 重度の療育手帳
  • 1〜2級の精神障害者保健福祉手帳

参照元:iDeCo公式サイト「加入者の方へ」
参照元:野村の確定拠出金ねっと「給付の種類」

iDeCoを途中解約する際の手続き方法

iDeCoを途中解約する際は、はじめに解約の条件を満たしているかどうかを確認してください。条件に該当する場合は、iDeCoを運用している運営管理機関に脱退を申し出ましょう。

脱退を申し出る際は、裁定請求書の提出が必要です。加入者の遺族が死亡一時金を受給する場合は、死亡診断書などを添付した加入者等死亡届も提出しなければいけません。

運営機関によって書類の様式や必要な添付書類などが異なるため、手続き方法を事前に問い合わせておくのがおすすめです。

転職時はどうする?企業型DCの手続き方法

転職時はどうする?企業型DCの手続き方法

勤め先の企業型DCに加入している人が所定の条件を満たす場合は、iDeCoと同様に脱退一時金を受け取れます。また、転職時や退職時に拠出先を変更したい場合は、手続きすることで転職先の企業型DCまたはiDeCoへの加入が可能です。

企業型DCの加入に変更が生じる際の手続き方法を、以下の3つに分けて解説します。

  1. 企業型DCで脱退一時金を受給できるケース
  2. 転職先で企業型DCに加入するケース
  3. 転職先で企業型DCを利用できず、iDeCoに加入するケース

企業型DCで脱退一時金を受給できるケース

企業型DCで脱退一時金を受け取るためには、個人別管理資産額に応じた脱退要件をすべて満たす必要があります。

【個人別管理資産額が1万5,000円以下の場合】

  • 企業型DC加入者、企業型DC運用指図者、iDeCo加入者及びiDeCo運用指図者でないこと
  • 個人別管理資産額が1.5万円以下であること
  • 最後に企業型DCの資格を喪失した日の翌月から6ヶ月を経過していないこと

引用:連合労働金庫会「脱退一時金を受取れるケースとその手続き」

【個人別管理資産額が1万5,000円を超える場合】

  • 企業型DC加入者、企業型DC運用指図者、iDeCo加入者及びiDeCo運用指図者でないこと
  • 最後に企業型DCの資格を喪失した日の翌月から6ヶ月を経過していないこと
  • 60歳未満であること
  • iDeCoに加入できない者であること
  • 日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
  • 障害給付金の受給権者でないこと
  • 企業型DCの加入者及びiDeCoの加入者として掛金を拠出した期間が5年以内であること、又は個人別管理資産額が25万円以下であること

引用:労働金庫連合会「脱退一時金を受取れるケースとその手続き」

条件を満たす場合は、運営管理機関に対して手続きを行いましょう。その際、詳しい受給要件や手続きの流れなどを前もって確認しておくのがおすすめです。

転職先で企業型DCに加入するケース

転職した会社で企業型DCに加入したい場合は、運営管理機関に対して資産の移換手続きが必要です。確定拠出年金の口座を持っていることを転職先に伝え、転職先が契約している運営管理機関に必要書類を提出しましょう。

手続きをする際は、退職した会社で運用していた金融商品から、転職先の企業型DCにある金融商品に選び替えなければいけません。

転職先で企業型DCを利用できず、iDeCoに加入するケース

転職した会社で企業型DCを利用できない場合は、各運営管理機関に対して以下の手続きを行い、iDeCoに加入する方法があります。

  1. 企業型DCの加入者資格の喪失手続き
  2. 資産の移換に関する手続き
  3. iDeCoの加入申出の手続き

上記のケース以外で、以下に該当する場合もiDeCoに資産を移換する必要があります。

  • 企業型DCの対象に該当しない人
  • 退職して自営業者などの第1号被保険者になる人
  • 退職して専業主婦(夫)などの第3号被保険者になる人
  • 退職して任意加入被保険者になる人

参照元:iDeCo公式サイト「転職・退職された方へ」

iDeCoの解約などに関するよくある疑問

iDeCoの解約などに関するよくある疑問

iDeCoや企業型DCの途中解約について説明しましたが、条件や手続き方法などが細かく定められているため、いくつかの疑問が生じた人もいるでしょう。ここでは、iDeCoの解約などに関するよくある疑問について解説します。

  1. 企業型DCの移換手続きをしないとどうなる?
  2. iDeCoは途中で金融機関を変更できる?
  3. 掛金の拠出が難しくなった場合の対処法は?

企業型DCの移換手続きをしないとどうなる?

転職・退職してから6ヶ月以内に企業型DCの移換手続きをしなかった場合は、自動移換の対象となります。自動移換とは、資産が自動で売却・換金され、国民年金基金連合会に移換されることです。

自動移換された際は、通常発生する移換手数料に加えて管理手数料が発生します。管理手数料が発生するのは自動移換4ヶ月目以降で、毎月一定額が資産から差し引かれます。また、移換した資産を自分の年金資産として取り扱うためには、手続きや手数料の支払いが必要です。

手数料の面以外では、「自動移換後は加入期間に含まれないこと」「運用指図や給付の請求ができないこと」も自動移換のデメリットです。企業型DCの移換が必要になった場合は、6ヶ月以内に手続きを済ませましょう。

参照元:野村の確定拠出年金ねっと「企業を離転職された方へ」

iDeCoは途中で金融機関を変更できる?

iDeCoでは、加入途中での金融機関(=運営管理機関)の変更が認められています。変更を希望する場合は、変更したい金融機関に「加入者等運営管理機関変更届」を提出しましょう。

ただし、手続きに際して資産が一度現金化されるため、値動きしやすい金融商品で運用していた場合は元本割れのリスクに注意が必要です。また、移換の完了までに時間を要することや、金融機関によって移換時の手数料が発生することも理解しておきましょう。

掛金の拠出が難しくなった場合の対処法は?

掛金の拠出が難しくなっても、iDeCoを解約するのは簡単なことではありません。どうしても支払いが厳しい場合は、拠出の停止や掛金の減額を検討しましょう。

運営管理機関に加入者資格喪失届を提出すれば、運用を一時的にストップできます。口座管理手数料はかかりますが、掛金の拠出を停止しても運用商品の選択は可能です。

また、iDeCoでは年1回のみ掛金額の変更が認められています。無理なく支払える金額を検討し、運営管理機関に加入者掛金額変更届を提出しましょう。

余分な手数料の負担を抑えたい場合は、支払いごとに手数料がかかる月払いから、年1回にまとめて拠出する年払いに変更するのがおすすめです。

ただし、拠出の停止や掛金の減額をする際は、所得控除を適用できなくなる、または控除額が減額される点に注意が必要です。メリットとデメリットを理解したうえで、拠出が難しくなった際の対処法を考えてみてください。

参照元:SBI証券「【iDeCo】掛金額を変更したいのですが?」

iDeCoの解約について専門家に相談してみよう

iDeCoの解約について専門家に相談してみよう

iDeCoは原則として途中解約できませんが、例外のケースに当てはまる場合は加入中の脱退が認められます。状況に応じて一時金や給付金を受け取れるため、解約したい場合は条件に該当するかどうかを確認してみましょう。

iDeCoの解約について悩んでいる場合は、投資信託相談プラザの無料個別相談を利用するのがおすすめです。パソコン・タブレット・スマートフォンを活用したオンライン相談も可能で、ご自宅でくつろぎながら気軽に相談できます。

お金の悩みをプロに相談したい人は、投資信託相談プラザの個別相談を申し込んでみてください。

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このコラムの執筆者

MONEY HUB PLUS 編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
みなさまの資産形成に役立つ情報を日々発信しております。

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