60代からの資産運用|失敗を防ぐ始め方と3つの基本戦略

60代からの資産運用|失敗を防ぐ始め方と3つの基本戦略

資産運用

この記事のポイント

  • まずは資産を「守るお金」と「増やすお金」に役割分けしよう
  • 「債券」で安定収入を、「投資信託」で長期運用を、そして「ファンドラップ」で運用管理の一任を目指すなど、分散と管理の効率化を意識しよう
  • 「増やすお金」で運用をするなら、「NISA」制度を活用すれば大きなメリットが期待できる
  • リスクの把握が難しいハイリスクな商品には手を出さないこと

「60代になり、退職金も入ったけれど、このままで老後資金は大丈夫だろうか」
「資産運用に興味はあるけれど、今から始めても遅いのでは…」

60代は、人生の大きな節目であり、お金との付き合い方を改めて考える時期です。本記事では、60代からの資産運用について、失敗を防ぐための「始め方」と「3つの基本戦略」を、資産運用アドバイスの専門家(IFA)が初心者にも分かりやすく丁寧に解説します。

結論から言えば、60代の資産運用は決して遅くありません

ただし、20代や30代とは異なる、60代に合った「無理のない・賢い」やり方が必要です。この記事では、その具体的な方法についてご説明いたします。

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60代で「資産運用」を考える人が増えている理由

なぜ今、多くの60代の方が資産運用に関心を持ち始めているのでしょうか。背景には、大きく分けて2つの社会的な変化があります。

「人生100年時代」の老後資金とインフレの懸念

一つ目は、平均寿命が延びたことによる「長寿化への備え」です。

厚生労働省が発表している簡易生命表によると、90歳まで生きる割合は、男性で25.5%、女性では49.8%にものぼります(※1)。60代から見ても、老後は30年、40年と続く可能性があります。

この長い老後を支えるお金を、預貯金だけで準備し続けるのは大変です。

さらに近年、食料品や光熱費など、身の回りのモノやサービスの値段が上がるインフレ(物価上昇)が続いています。

  • インフレとは?
    • 継続的にモノやサービスの価格が上がること。
    • 例えば、年2%のインフレが続くと、今100万円で買えるものが10年後には約122万円ないと買えなくなる。
    • 逆に言えば、銀行に預けている100万円(金利0.2%の場合)は、10年後に(税引き前で)約102万円になる。
    • しかし、インフレでモノの値段が約122万円になっていた場合、その「価値(買えるモノの量)」は実質的に目減りしていることになる。

大切な資産をインフレから守り、豊かな老後を過ごすために、預貯金の一部を「増やす」努力、すなわち資産運用に回す必要性が高まっているのです。

※1 出典:厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」

60代からの資産運用は「遅すぎる」は誤解

「もう60代だから、今から投資なんて…」とためらうお気持ちはよく分かります。確かに、運用できる期間が短い分、若い世代に比べて大きなリスクは取りにくいです。

しかし、「遅すぎる」ということはありません。 前述の通り、老後はまだ数十年続きます。

その間、資産をただ「取り崩すだけ」の生活と、一部でも「運用しながら取り崩す」生活とでは、資産の寿命に大きな差が生まれます。

60代からの資産運用の目的は、大きく儲けること(ハイリスク・ハイリターン)ではありません。大切な資産の価値を守り、できるだけ長く維持することが大きな目的です。

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60代の資産運用で失敗しないための「3つの基本戦略」

では、60代からの資産運用で失敗しないためには、具体的に何を心がければよいのでしょうか。重要な「3つの基本戦略」をご紹介します。

戦略1:まずは「守るお金」と「増やすお金」に分ける

60代の資産運用で最も重要なことは、手元の資産を「3つの役割」に分けることです。 退職金や預貯金など、今あるお金をすべて運用に回すのは絶対にやめましょう。

  • ① 生活防衛資金(守るお金・短期)
    • 病気や怪我、家の修繕など、急な出費に備えるお金。
    • 目安:生活費の半年~1年分程度。
    • 置き場所:すぐに引き出せる銀行の普通預金など。
  • ② 使う予定が決まっているお金(守るお金・中期)
    • 数年以内に使い道が決まっているお金(例:車の買い替え、リフォーム、孫の入学祝いなど)。
    • 置き場所:定期預金や個人向け国債(変動10年)など。
  • ③ 当面使う予定のないお金(増やすお金・長期)
    • 上記①②を除いた、最低でも5年~10年は使う予定のない「余裕資金」。
    • 多少のリスクを取り、お金を増やすための資産運用に回せるのは、この部分だけ。

この「役割分け」を徹底することで、「将来使う予定の資金」を運用によって目減りさせてしまう事態を回避できます。

戦略2:「長期・積立・分散」を基本とする

投資の基本原則として「長期・積立・分散」が知られています。これは60代からの資産運用においても有効な考え方です。

長期投資の必要性

60代からでも老後は数十年続きます。「当面使う予定のないお金」であれば、10年、20年といった長期的な視点で運用が可能です。

積立投資でリスクを分散しよう

一度にまとまった金額を投資する一括投資は、投資タイミングによっては市場価格が高い時に購入してしまう「高値掴み」のリスクがあります。

これは、特に価格変動が大きい株式や投資信託において、その後の下落により損失を抱える可能性が高くなるためです。このリスクを避ける手段として、時間分散が可能な積立投資が有効とされます。

毎月一定額をコツコツと買い続ける「積立投資」なら、価格が高い時は少なく、安い時は多く買うことができます。これにより、購入価格が平均化され、高値掴みのリスクを減らすことができます(ドル・コスト平均法)。

■例外:一括投資が適している場合
まとまった資金がある場合、債券投資など「一括投資」が適している金融商品もあります。債券のように満期まで保有することを前提とし、価格変動リスクが比較的低い金融商品では、購入時の利回りを重視し、すぐに運用を開始する一括投資が効率的となる場合もあります。詳しい内容は、後の章で解説します。

分散投資でリスクの軽減

一つの商品(例:A社の株だけ)に集中投資すると、その価値が暴落した時に大きな損失を被ります。

投資先を「資産(株式、債券など)」や「地域(日本、先進国、新興国など)」で分散することで、リスクを軽減できます。

戦略3:「NISA」を最大限活用する

60代から投資を始めるなら、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を使わない手はありません。

NISAとは?

  • 通常、投資で得られた利益(売却益や配当金・分配金)には約20%の税率が適用される。
  • しかし、NISA口座内で投資して得られた利益は非課税(税金がかからない)になる、非常にメリットの大きい制度。

NISAは、非課税保有期間が無期限になったため、60代の方にとっても非常に使いやすくなりました。

特に、長期でコツコツ運用する「つみたて投資枠」と、まとまった資金での運用も可能な「成長投資枠」があり、ご自身のライフプランに合わせて柔軟に活用できます。

「増やすお金」での運用は、まずNISA口座の活用を検討しましょう。

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60代からの資産運用|具体的な金融商品と注意点

戦略が分かったところで、次に「具体的な金融商品」と「注意点」を見ていきましょう。60代の資産運用では、「投資信託」「債券」、そして「ファンドラップ」の3つを上手に組み合わせることが鍵となります。

「投資信託」:長期的な資産形成のコアに

「戦略2」で挙げた「積立・分散・長期」を実践しやすいのが投資信託(ファンド)です。

投資信託(ファンド)とは?

  • 投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資・運用する商品。
  • 1本買うだけで、自動的に数十〜数百の銘柄に分散投資できるのが大きなメリット。

投資信託には様々な種類がありますが、60代の方には以下のタイプが適しています。

  • インデックス・ファンド:日経平均株価や米国のS&P500といった「株価指数(インデックス)」に連動する運用を目指すファンド。運用コスト(信託報酬)が安い傾向にあり、長期運用に向いている。
  • バランス・ファンド:国内外の株式、債券など、複数の資産にあらかじめ分散投資されているファンド。これ1本で資産配分の調整(アセット・アロケーション)を専門家に任せることができる。

「個別債券」:まとまった資金で継続的な収入(インカム)を狙う

退職金など、まとまった資金がある60代の方には個別債券への投資も有効な選択肢です。

債券とは?

  • 国や企業などが、投資家からお金を借りるために発行する「借用証書」のようなもの。

債券投資のメリットは、株式に比べて値動きが比較的おだやか(リスクが低い傾向)であることと、定期的に利子収入(インカムゲイン)を受け取れることです。

特徴満期(償還日)まで保有すれば、額面金額が戻ってくる(※発行体が破綻しない限り)ため、資金計画が立てやすいのが特徴。
投資対象日本国債(個人向け国債)、先進国の国債(米国債など)、または信用力の高い企業が発行する社債などが候補となる。
注意点外国の債券(外債)の場合、為替レートの変動(例:円高になると円ベースでの価値が下がる)によって受取額が変わる「為替リスク」がある。

まとまった資金の一部を「個別債券」で運用し、利子収入を得ながら、一部を「投資信託」で長期的に育てる、といった組み合わせが60代の理想的な運用方法の一つと言えます。

ファンドラップ:プロに一任し、手間なく運用管理をシンプル化

ファンドラップとは?

  • 金融機関などが、お客様の資産運用の目的やリスク許容度に合わせて、適切な資産配分(ポートフォリオ)の提案から、金融商品の選定、売買、そして市場環境に応じた見直し(リバランス)まで、投資運用に関することを一任できるサービス

ファンドラップのメリットは、 自分で運用方針を決めたり、日々の市場動向をチェックしたりする時間や手間がかからないことです。資産運用のプロが複数のファンドに分散投資するため、リスクが抑えられ、安定的な収益が期待できます。

特徴詳細
一任運用ポートフォリオの構築から管理まで、全てを専門家が代行するため、運用負担から解放される。
リバランス市場変動により資産配分が崩れても、自動で適切な配分に戻す(リバランス)機能により、リスク水準を維持できる。
③運用報告定期的に運用状況に関する報告書が届くため、資産状況を簡単に把握することができる。

運用を一任するサービスであり、投資信託よりも運用報酬(手数料)が割高になる傾向があるため、サービス内容とコストを慎重に比較検討することが重要です。

60代が特に気をつけたい運用と商品

一方で、60代の方が「失敗」しやすい、避けるべき運用方法もあります。

  • NG1:ハイリスク・短期売買(FX、暗号資産、個別株の信用取引など)
    • 「すぐに儲かる」という話には必ず裏がある。
    • 価格変動が激しすぎる商品は、60代の大切な老後資金を投じる対象としては不向き。
  • NG2:リスクの把握が難しい金融商品(仕組債、毎月分配型の投資信託など)
    • 商品やリスクの構造が複雑で、自分で内容を完全に理解できない金融商品は避けましょう。
    • 特に、市場の変動や特定の条件に応じて、通常の損失予測を超えて損失が拡大する可能性がある場合、リスクを正確に把握することが困難になることも。
    • 仕組みや収益源、および予期せぬ損失拡大につながる「特定の条件」を自ら明確に説明できない商品は、購入を見送るのが賢明。
    • また、「毎月分配型の投資信託」は、運用益ではなく元本を取り崩して分配している場合(元本払戻金)もあり、注意が必要。
  • NG3:退職金を一つの商品に全額つぎ込む
    • これは「分散」の原則に反する。「戦略1」で解説した通り、まずは「お金の役割分け」が鉄則。

60代の資産運用、一人で悩まないことが成功の鍵

ここまで60代からの資産運用の基本を解説してきましたが、「自分に合った資産配分(投資信託と債券の割合など)が分からない」「NISAや債券と言われても、具体的な商品選びが難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

なぜ専門家への相談が重要なのか?

資産運用は、家族構成、保有資産、将来の夢、そして「どれくらいのリスクなら受け入れられるか(リスク許容度)」によって、適切な「答え」が一人ひとり異なります

インターネットや本で一般的な知識は得られますが、「あなた個人に合わせた答え」を見つけるのは簡単ではありません。特に60代からの資産運用は、失敗を防ぎたい大切なお金だからこそ、スタート地点でつまずかないことが重要です。

そんな時、客観的な視点でアドバイスをくれる専門家に相談することが、成功への近道となります。

「投資信託相談プラザ」がお手伝いできること

私たち「投資信託相談プラザ」は、特定の金融機関に属さない独立系のファイナンシャル・アドバイザー(IFA)として、お客様の資産運用に関するお悩みに寄り添ってきました。

IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)とは?

  • 特定の金融機関に所属せず、独立した立場で資産運用のアドバイスを行う専門家。
  • 本当にお客様の利益になる(と私たちが考える)商品やプランを中立的な立場でご提案できるのが強み。

「投資信託相談プラザ」では、以下のようなご相談を承っております。

  • 60代の自分に合った資産運用のプランを立ててほしい
  • 退職金が入ったが、どう運用すれば良いか分からない(債券と投資信託の配分など)
  • NISAの始め方や、おすすめの商品を具体的に教えてほしい
  • 今入っている保険や運用商品が、自分に合っているか診断してほしい

ご相談は無料です。無理な勧誘は一切行いませんので、まずは「ちょっと話を聞いてみたい」という軽いお気持ちで、お気軽にご活用ください。

「ネット証券での資産運用を相談したい!」そんな方へ

私たち「投資信託相談プラザ」はSBI証券・楽天証券と提携しており、仲介口座数は延べ60,000口座、仲介する預かり資産残高は4,500億円超の実績があります。(※)
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まとめ:60代の資産運用は「無理なく、賢く」始めましょう

60代からの資産運用は、決して遅くありません。大切なのは、若い世代とは異なる目的(守りながら増やす)を意識し、「無理をしない」ことです。

  • 資産を「守るお金」と「増やすお金」に役割分けする
  • 「債券」で安定収入を、「投資信託」で長期運用を、そして「ファンドラップ」で運用管理の一任を目指すなど、分散と管理の効率化を意識する
  • メリットの大きい「NISA」制度を活用する
  • リスクの把握が難しいハイリスクな商品には手を出さない

そして何より、一人で悩まず、信頼できる専門家に相談することです。私たち「投資信託相談プラザ」が、あなたの豊かなセカンドライフ実現の一助となれば幸いです。

このコラムの執筆者

道谷 昌弘

株式会社Fan IFA

AFP(日本FP協会認定) 大学卒業後、大手証券会社に入社。国内営業部門にて法人・個人の資産運用アドバイスを行う。8年間勤めたのち退社し、より中立的なアドバイスができるIFA(独立系投資アドバイザー)に転身。現在は富山を拠点に、全国各地のお客様に幅広くコンサルティングを行いながら、お客様にとって本当に良い商品提案を日々追求している。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証するものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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