2024年から始まる新NISA制度とは?変更点やメリット・デメリットを解説
資産運用

2024年から始まる新NISA制度とは?変更点やメリット・デメリットを解説

2022.12.09


2024年から現在の一般NISAが見直され、新NISA制度へと生まれ変わります。2階建てのしくみや、投資期間が5年延長することなどをおさえましょう。今回は現行の3つのNISA制度の主な変更点にくわえ、新NISAのメリットやデメリットなども詳しく解説します。

※本記事の内容は2022年12月9日時点のものです。新NISAについては、今後2023年度税制改正大綱で大幅に変わる可能性があります。

2024年から始まる新NISA制度とは

2024年から始まる新NISA制度とは

2024年から始まる新NISA制度は、より多くの人に積立分散投資を促すことを目的に創案された、2階建ての仕組みが特徴の制度です。具体的には、従来の一般NISAの非課税枠が2階建てとなり、さらに期間が5年間延長してリニューアルされます。

ただし、そもそも現在のNISA制度をあまり知らないという人もいるかもしれません。一般NISAは、2014年に開始された、年間120万円を上限として株式や投資信託による投資から得た利益を、非課税で運用できる制度のことです。

なお、現行のNISAには一般NISAのほか、少額から長期間積立をおこなう「つみたてNISA」と、子どもの将来にむけた資産形成をサポートする「ジュニアNISA」があります。

新NISA制度

出典:金融庁「新しいNISA制度の概要と改正の狙い 」

参考:金融庁「新しいNISA制度」
金融庁「つみたてNISAの概要」
金融庁「ジュニアNISAの概要」

3つのNISA制度の変更点

3つのNISA制度の変更点

前述のとおり新NISAは、一般NISAをベースにリニューアルされる制度です。また、つみたてNISAは5年間延長される予定です。ここからは、3つのNISA制度の現行のしくみのおさらいをしながら、それぞれの変更点を解説します。

一般NISA

一般NISAは新NISAにリニューアルする際に、以下の3点が変更することをおさえる必要があります。しくみがやや複雑になるため、しっかりとポイントをおさえましょう。

  • 非課税対象が2階建てになる
  • 投資期間が5年延長になる
  • ロールオーバーが可能になる

変更点を1つずつ見ていきましょう。

【非課税対象が2階建てになる】

現在の一般NISAは1階建ての構造になっているのに対し、以下のように2階建てに変更します。

新NISA変更点
このように、新NISAでは1階部分の対象商品は現行のつみたてNISAに、2階部分は一般NISAに似ていることがわかります。

 

なお原則、2階の非課税枠のみを利用することはできません。投資経験者であるといった一定の条件を満たしているケースを除き、1階の積立投資の利用が前提であることに注意しましょう。これは、より多くの人たちに積み立て投資を始めてもらいたいという意図によるものです。

ただし、年間20万円の上限枠ギリギリまで利用する必要はありません。

【投資期間が5年延長になる】

新NISAでは投資できる期間が5年延長し、2028年までになります。投資できる期間とは、株式や投資信託の購入が可能な期間を指します。

なお、非課税期間はもともと5年間であるため、たとえば2023年に新規購入した投資商品は2027年12月末まで課税されることなく運用できる点に変わりはありません

【ロールオーバーが可能になる】

一般NISAからのロールオーバーが可能になる点も、注目しておきたいポイントです。ロールオーバーとは、非課税で運用できる期間が終わった後、新たなNISA非課税枠に移す仕組みのことです。

たとえば、一般NISAの非課税で運用できる期間が終了したタイミングは、投資商品の評価額が下落しており、売却には適していないかもしれません。もしくは逆に評価益が出ており、もう少し運用を続ければさらに利益が増える可能性もあるでしょう。

そのような場合は新NISAの2階部分にロールオーバーし、非課税期間を5年分延ばしたほうがよいでしょう。このとき、新NISAの非課税枠を上限122万円まですべて使い切っていても、ロールオーバーができます。

さらに、非課税期間が終わったとしても、1階にあたる資産をつみたてNISAにロールオーバーすることも可能であることを覚えておきましょう。

つみたてNISA

つみたてNISAは、2018年からスタートした、少額から長期にわたって分散投資を始める人を支援する非課税制度です。対象となる金融商品は、手数料の水準が低いなど、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られている点が特徴です。

【2042年まで投資期間が延長になる】

つみたてNISAの制度も、新規に投資できる期間が5年延長し2042年までになります。

現状、制度が開始された2018年から利用を始めた場合、もっとも長く積み立てができることになっています。20年後、つまり2038年まで積み立てられるケースです。このように、現行制度では最長でも20年までしか投資ができませんでした。

しかし、投資期間の延長によって、2023年までに始めれば20年以上投資できるようになることは、大きなメリットといえます。

ただしその場合であっても、それぞれの年に投資した資産を非課税で運用できる期間は20年のままという点は、現行制度と変わりません

ジュニアNISA

ジュニアNISAは、子どもの将来にむけた資産形成をサポートするために導入された制度です。日本に居住する未成年者が利用でき、運用や管理は親権者がおこないます。

【2023年で制度終了となる】

ジュニアNISAは上記2つとは異なり、当初の予定どおり2023年12月末で制度が終了することがポイントです。

現行の制度では、未成年者が18歳になるまで保有資産の払い出しができないという課題がありました。しかし、2024年以降は18歳未満であっても払い出しが可能になり、必要なタイミングで必要な用途に充てられるようになります。

なお、制度が終了した後も、未成年者が18歳になるまでの間の5年間は、非課税で保有を続けることも可能です

参考:金融庁「新しいNISA制度」
金融庁「つみたてNISAの概要」
金融庁「ジュニアNISAの概要」

新NISAのメリット

新NISAのメリット

新NISAのメリットとしては、次の2点が挙げられます。

  • 非課税投資枠が多い
  • 投資の自由度が高い

それぞれ、内容を確認していきましょう。

非課税投資枠が多い

新NISAのメリットとしては、現行の一般NISAの年間の非課税枠よりも、2万円多いことが挙げられます。一般NISAでは120万円の年間非課税投資枠が、新NISAでは1階部分と2階部分あわせて、122万円に増額されます。

投資の自由度が高い

新NISAは、投資の自由度がある程度高いこともメリットといえるでしょう。

たとえばつみたてNISAは、対象となる金融商品は、長期間の積み立て投資に適していると認められた、金融庁の基準を満たした一定の投資信託やETFのみです。ETFとは、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価などの指数の動きに連動する運用結果を目指し、金融商品取引所に上場している投資信託のことです。

しかし、新NISAの2階部分に関しては、現行の一般NISAに類似したしくみであるため、株式も投資信託もあまり制約を受けずに、幅広いラインナップの中から選ぶことができます

参考:金融庁「新しいNISA制度」

新NISAのデメリット

新NISAのデメリット

新NISAのデメリットとして挙げられるのは、次の2つです。

  • 非課税期間が短い
  • 運用にある程度の知識が必要となる

1つずつ、内容を解説していきます。

非課税期間が短い

新NISAは、非課税期間が短い点がデメリットといえます。運用益と分配金に対して税金がかからず非課税で運用できるのは一般NISAと同じ5年間で、その後は運用益に対して課税されます

また、2階にあたる資産は非課税期間の終了後にロールオーバーができないことにも注意が必要です。

一般NISAはロールオーバーをして継続し続けることができるため、混同しないようにしましょう。

運用にある程度の知識が必要となる

新NISAの運用には、ある程度の知識が必要であり、投資初心者がいきなり始めるにはややハードルが高い点にも注意が必要です。

2階建て部分に関しては、つみたてNISAよりも選べる金融商品のラインナップが幅広いことが特徴です。また非課税枠も一般NISAよりも多く、比較的投資の自由度が高いことは既にお伝えしました。しかしその分、運用に関するある程度の知識が求められます。

また、2階建てに変更になるなど従来の一般NISAより制度が複雑化している傾向にあるため、正しく理解するための情報収集や勉強が欠かせないといえるでしょう。

参考:金融庁「新しいNISA制度」

つみたてNISAのメリット

 つみたてNISAのメリット

新NISAがスタートしても、NISAを利用できるのは「1人1口座」のルール自体は変更しません。そのため、新NISAとつみたてNISAは併用できず、いずれか1つを選ぶ必要があります。

新NISAかつみたてNISAかを選ぶ際の判断材料となるように、ここでは次の2つのつみたてNISAのメリットをご紹介します。

  • 長期の資産運用が可能
  • 初心者でも投資に取り組みやすい

長期の資産運用が可能

つみたてNISAは、長期の資産運用が可能である点がメリットです。非課税枠は年間40万円と少ないものの、最長20年もの間、非課税で資産運用を続けることが可能です。通常であれば投資で利益を得ると、運用益や分配金に対して20.315%の税金が差し引かれます。しかし、つみたてNISAは20年間その税金がかかりません。

非課税期間が長いため、複利効果もさらに大きくなり、毎月の積立金額が少額であっても資産形成の効果が期待できます。複利効果とは、運用で生まれた利益を再投資することで、利益がさらに利益を生み雪だるま式に資産が増えていくしくみのことです。

初心者でも投資に取り組みやすい

初心者でも投資に取り組みやすいことも、つみたてNISAのメリットの1つです。

つみたてNISAの口座で投資できるのは、金融庁が長期の分散投資に適したと認めた、ETFを含めた投資信託のみです。投資信託も価格変動の影響は受けますが、比較的低リスクであるため、投資初心者でも始めやすいといえるでしょう

またつみたてNISAは、最初に積立設定をしておけば、あとは自動的に買い付けをしてくれます。長期の運用のため、日々の基準価格の値動きに一喜一憂する必要もないことも、初心者にもおすすめできるポイントといえるでしょう。

参考:金融庁「つみたてNISAの概要」

つみたてNISAのデメリット

つみたてNISAのデメリット

つみたてNISAのデメリットには、主に次の2点が挙げられます。

  • 投資可能額上限が低い
  • 短期的視点でのリターンはあまり期待できない

それぞれの内容を解説します。

投資可能額上限が低い

つみたてNISAのデメリットとしては、投資可能額上限、つまり非課税枠が低いことが挙げられます。年間の非課税枠は40万円で、新NISAの3分の1程度にとどまります。また、40万円を一括投資することもできません。週単位や月単位でコツコツと積み立てていく必要があります。

手元にまとまった資金があり、短期的に資産を増やしたい人にとっては、物足りないかもしれません。

短期的視点でのリターンはあまり期待できない

つみたてNISAは長期の積み立てを前提としているため、短期視点でのリターンはあまり期待できない点もデメリットです。

年間の非課税枠40万円という少額の資金を、最長20年間投資をして資産形成を目指すのが、コンセプトの制度です。運用結果に大きく影響する投資元本が少ないため、基準価格が大きく値下がるリスクが少ない反面、短期間で大きな利益を出せる可能性も低いといえるでしょう。

参考:金融庁「つみたてNISAの概要」

新NISA制度で投資を始めよう

新NISA制度で投資を始めよう

2024年から始まる新NISAは、1階部分は現行のつみたてNISA、2階部分は一般NISAに類似した制度です。全体では非課税枠や投資期間が拡充されるため、上手に活用すれば資産形成につながるでしょう。ただし、一般NISAよりもしくみがやや複雑化するため、投資初心者は情報収集をおこない、制度の理解に努めましょう。

基本的に投資は早いタイミングで始めたほうが、将来の運用結果が大きくなる傾向にあります。新NISA制度が始まるタイミングで、投資を始めるのもよいでしょう。しかし、2024年まで待つことなく、現行の一般NISAから始めて新NISAにロールオーバーするのもおすすめです。自分に合ったタイミングで、投資を始めましょう。

※本記事の内容は2022年12月9日時点のものです。新NISAについては、今後2023年度税制改正大綱で大幅に変わる可能性があります。

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このコラムの執筆者

MONEY HUB PLUS 編集部

株式会社Fan

未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
みなさまの資産形成に役立つ情報を日々発信しております。

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